2019 Fiscal Year Research-status Report
鼻副鼻腔内反性乳頭腫の診断、再発、悪性転化のバイオマーカー探索と機序の解明
Project/Area Number |
19K09894
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
山下 懐 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60569622)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 内反性乳頭腫 / 鼻副鼻腔 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は鼻副鼻腔内反性乳頭腫(IP)の正 確な術前診断、再発病変の早期診断、易再発性と悪性転化のリスク判定に有用なバイオマーカーの検索とIPの悪性転化の機序の解明を目的としている。 IPはSCCA が上昇するが、鼻副鼻腔扁平上皮癌(SCC)も SCCAの上昇を認める。SCCAにはSCCA1とSCCA2があるがIPではSCCA1、SCCではSCCA2の上昇が主だと考えられているが明らかになっていない。 また、IPではp16陽性が多いがHPV感染やcellular senescenceについて検討されたものは少ない。本研究ではこの2点に着目し、①SCCA1およびSCCA2のIP、IP+SCCの術前診断、再発の早期診断に対するバイオマーカーとしての有用性。②IPにおけるHPV感染、cellular senescenceについての検索。をすることによりIPの易再発、悪性転化のバ イオマーカーの検索と悪性化機序の解明を行う。 1年度は研究I-1) IPと炎症群、SCC群との鑑別に関する血中SCCA値測定の有用性:副鼻腔陰影を持ち、生検、手術により病理診断を実施する鼻副鼻腔疾患を対象にELISA法にて血中SCCA値(SCCA1、SCCA2)を測定し、SCCA測定によるIPの診断精度(感度、特異度、陰性的中率、陽性的中率)を 求める。またIP+SCC群のSCCA測定結果をIP、炎症群と比較し、特徴を明らかにする。にてIP22例、対照群(炎症、SCC)85例のサンプル採取が終了。16例のSCCA1をELISA法にて解析した。順次解析を進め、2年度以降の研究I-2) 鼻副鼻腔内反性乳頭腫の再発早期発見、悪性化に関する血中SCCA値測定の有用性検証につなげてく予定。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
IP22例、対照群(炎症、SCC)85例の新規サンプル採取については当初の目標を達成できたが、SCCA1、SCCA2のELISA法での解析が遅れている。また平行して行っている研究Ⅱ)IPにおけるHPV感染,cellular senescenceについての検索において、今回採取したIP22例を合計したIP78例のうち、p16、p21の免疫染色はp16が24例、p21は30例が行えたが、当初予定よりやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
IP22例、対照群(炎症、SCC)85例のSCCA1、SCCA2のELISA法での解析を2年度中に全例で終了させ、結果を明らかにする。 IP78例のHPV-DNA検出、ウイルス量測定、p16、p21免疫染色、SAβ-gal測定を施行する。
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Causes of Carryover |
当初予定していた計画に比べSCCAの解析が遅れた。解析のために購入を予定していたELISA kitの数が少なくなったこと、また、予定していた学会の参加がCOVID-19流行により中止となり、旅費が少なくなったことが理由としてあげられる。翌年度は遅延しているSCCA解析を進めていくため、ELISA kit購入をふやす必要があり、ELISA kit購入に助成金を使用する計画である。
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