2020 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of in-vitro evaluation of sinusitis using nasal polyp-derived cells
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19K09900
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
本間 博友 順天堂大学, 医学部, 准教授 (90433771)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楠 威志 順天堂大学, 医学部, 教授 (30248025)
池田 勝久 順天堂大学, 医学部, 教授 (70159614)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 副鼻腔炎 / 免疫エフェクター細胞 / IL-17 / 副鼻腔ポリープ由来細胞 / 免疫応答プロファイル |
Outline of Annual Research Achievements |
継代培養線維芽細胞は、蝶形骨洞の正常な粘膜に加えて、ヒトのポリープ生検組織から樹立された(コントロールグループ)。鼻ポリープは、好酸球(Eo)と非好酸球(非Eo)のグループに分類された。鼻線維芽細胞のIL-17A受容体は、定量的リアルタイムRT-PCRによって検出された。線維芽細胞がIL-17Aで刺激された後、サイトカインとケモカインの放出は、ヒトマルチプレックスサイトカインアッセイシステムを使用して定量化された。結果、IL-17A受容体は、3つのグループすべてで同様のレベルで発現した。 IL-1β、IL-1ra、IL-2、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8、IL-9、IL-10、IL-12、IL-13の同時定量、IL-15、IL-17A、塩基性FGF、エオタキシン-1、G-CSF、GM-CSF、INF-γ、IP-10、MCP-1、MIP-1α、MIP-1β、PDGF-bb、RANTES、培養上清中のTNF-α、およびVEGFは、アッセイシステムを使用して実行された。 Eoグループでは、IL-6の基礎分泌レベルは、コントロールグループおよび非Eoグループのそれよりも有意に高かった。 Eo以外のグループとEoグループの両方でのMCP-1の基礎分泌も、コントロールグループの基礎分泌よりも高かった。 IL-9とG-CSFの両方の分泌は、3つすべてのグループでIL-17A刺激によって著しく増強された。 IL-17Aによる受容体を介した応答は、コントロールグループと比較して、非EoグループとEoグループでIL-6放出のみを大幅に上方制御した。すべてのグループで、IL-17Aの刺激によって基本的なFGF分泌のみが減少した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
以下の実験が順調に施行されている。細胞培養系を確立後は浮遊細胞からの細胞分離を簡便かつ効率的に行うことができる免疫磁気ビーズを用いてT細胞を分離後CD4、CD8、IL-23R等の細胞表面抗原の比率をフローサイトメトリーにより解析、さらに浮遊細胞の培養上清由来の分泌サイトカインをBioPlexサスペンションアレイ測定にて網羅的に解析し各病態ごとのプロファイリングによる分類評価を行った。線維芽細胞培養系ではIL-17等の各種サイトカインへの応答能(増殖能・増殖抑制能)を評価しこのプロファイリングにより病態ごとの分類を行う。免疫磁気ビーズDynabeads Untouched Human T Cells (Dynal)を用い鼻ポリープ由来浮遊細胞からの簡便なT細胞分離法を検証した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では副鼻腔炎患者より摘出された鼻ポリープから線維芽細胞を採取し、術後短期間で解析できる簡易細胞培養法を確立、同時に得られた各免疫細胞から分泌するサイトカイン発現パターンやこれに対する線維芽細胞の応答性を解析し、病態ごとにプロファイリングすることにより多様な副鼻腔炎における分子免疫機構の病態評価・分類法を作製するという独創的な研究である。これまでヒト副鼻腔由来細胞の培養系の報告はあるが、安定的に評価するためには一週間以上の期間を要し各患者ごとの同一条件のプロファイリングには適していなかった。短期間で簡便に解析できるin vitro評価系を構築できれば患者の生体組織に類似した環境下での解析が可能となると考えられる。本研究では近年急速に精度が高まっている免疫磁気ビーズやBioPlexサスペンションアレイ等の簡便かつ効率的なアッセイシステムを用いることにより従来より安価で多検体解析に適した評価法を確立できると考えられる。このような評価法を確立し多様な副鼻腔炎の分子免疫応答における免疫エフェクター細胞とサイトカイン標的細胞との相互作用機序を病態ごとに詳細分類できれば、今後は個別化治療の戦略を目指す。
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Causes of Carryover |
以下の実験を本年度に施行予定であったが、いまだ十分ではないため、次年度にこれらの実験に必要な使用額を計上した。 T細胞分離前の浮遊細胞を当施設所有の3chフローサイトメーター(FACS Aria, BD Bioscience)を用いて表面抗原から簡便な分類マーカーを選択し、この解析によりヘルパーT細胞のTh1、Th2、Th17および細胞障害性T細胞の細胞比率および表面抗原の発現比率を解析、病態による細胞比率、表面抗原比率の分類・パターン化を検証を予定する。
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Research Products
(1 results)