2022 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of in-vitro evaluation of sinusitis using nasal polyp-derived cells
Project/Area Number |
19K09900
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
本間 博友 順天堂大学, 医学部, 准教授 (90433771)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楠 威志 順天堂大学, 医学部, 教授 (30248025)
池田 勝久 順天堂大学, 医学部, 特任教授 (70159614)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 副鼻腔炎 / 免疫エフェクター細胞 / IL-17 / 副鼻腔ポリープ由来細胞 / 免疫応答プロファイル |
Outline of Annual Research Achievements |
鼻腔炎では多様な分子免疫応答が引き起こされるが、免疫エフェクター細胞とIL-17等のサイトカイン標的細胞との相互作用機序を病態ごとに詳細分類できれば治療戦略に大きく貢献できると考えられる。 浮遊細胞の培養上清中の分泌サイトカインをBioPlexサスペンションアレイ測定にて網羅的に解析し各病態ごとのプロファイリングによる分類評価を行う。当施設で所有するBioPlexサスペンションアレイは、培養上清中に分泌されたサイトカインを多項目同時に検出することができる安価で簡便なアッセイシステムである。同システムにより鼻ポリープ由来浮遊細を用いた効率的なサイトカイン発現プロファイリング法を検証する。線維芽細胞の増殖と活性化は炎症細胞や、その産生するケミカルメディエーターにより直接的あるいは間接的に影響を受けている。本研究では細胞増殖指示薬として簡便で効率的なWST-8を用い、IL-17を中心とした副鼻腔炎関連サイトカインに対する反応として細胞増殖能および増殖停止能の測定を検証した。 線維芽細胞はサイトカインを放出し炎症反応をコントロールすることが知られている。本研究では無刺激の培養上清中の分泌サイトカインとIL-17等により惹起されるサイトカイン分泌パターンを上記のBioPlexアッセイ系にて比較分析することにより、各病態による細胞応答性の変化を解析した。 上記解析により得られた各病態に対する表面抗原・細胞内タンパク質発現パターン、サイトカイン分泌パターン、線維芽細胞のサイトカイン応答性の結果を総合的に様々なクラス分け)を行い臨床データとともにデータベース化する。このデータベースをこれまでの我々の報告における病理データ・検体由来患者の臨床所見との比較検証を行う。このin vitro評価法にて同定された分子免疫機構を臨床データと照合した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では副鼻腔炎患者より摘出された鼻ポリープから線維芽細胞を採取し、術後短期間で解析できる簡易細胞培養法を確立、同時に得られた各免疫細胞から分泌するサイトカイン発現パターンやこれに対する線維芽細胞の応答性を解析し、病態ごとにプロファイリングすることにより多様な副鼻腔炎における分子免疫機構の病態評価・分類法を作製するという独創的な研究である。これまでヒト副鼻腔由来細胞の培養系の報告はあるが、安定的に評価するためには一週間以上の期間を要し各患者ごとの同一条件のプロファイリングには適していなかった。短期間で簡便に解析できるin vitro評価系を構築できれば患者の生体組織に類似した環境下での解析が可能となると考えられる。本研究では近年急速に精度が高まっている免疫磁気ビーズやBioPlexサスペンションアレイ等の簡便かつ効率的なアッセイシステムを用いることにより従来より安価で多検体解析に適した評価法を確立できると考えられる。このような評価法を確立し多様な副鼻腔炎の分子免疫応答における免疫エフェクター細胞とサイトカイン標的細胞との相互作用機序を病態ごとに詳細分類できれば、今後の個別化治療の戦略に大きく貢献できる意義深い研究である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では副鼻腔炎患者より摘出された鼻ポリープから線維芽細胞を採取し、術後短期間で解析できる簡易細胞培養法を確立、同時に得られた各免疫細胞から分泌するサイトカイン発現パターンやこれに対する線維芽細胞の応答性を解析し、病態ごとにプロファイリングすることにより多様な副鼻腔炎における分子免疫機構の病態評価・分類法を作製するという独創的な研究である。これまでヒト副鼻腔由来細胞の培養系の報告はあるが、安定的に評価するためには一週間以上の期間を要し各患者ごとの同一条件のプロファイリングには適していなかった。短期間で簡便に解析できるin vitro評価系を構築できれば患者の生体組織に類似した環境下での解析が可能となると考えられる。本研究では近年急速に精度が高まっている免疫磁気ビーズやBioPlexサスペンションアレイ等の簡便かつ効率的なアッセイシステムを用いることにより、従来より安価で多検体解析に適した評価法を確立できると考えられる。このような評価法を確立し多様な副鼻腔炎の分子免疫応答における免疫エフェクター細胞とサイトカイン標的細胞との相互作用機序を病態ごとに詳細分類できれば、今後の個別化治療の戦略を目指す。
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Causes of Carryover |
以下の実験を本年度に施行予定であったが、いまだ十分ではないため、次年度にこれらの実験に必要な使用額を計上した。 T細胞分離前の浮遊細胞を当施設所有の3chフローサイトメーター(FACS Aria, BD Bioscience)を用いて表面抗原から簡便な分類マーカーを選択し、この解析によりヘルパーT細胞のTh1、Th2、Th17および細胞障害性T細胞の細胞比率および表面抗原の発現比率を解析、病態による細胞比率、表面抗原比率の分類・パターン化を検証を予定する。
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