2022 Fiscal Year Annual Research Report
好酸球性副鼻腔炎におけるトリプトファン代謝機構の解明と新規治療法の創製
Project/Area Number |
19K09906
|
Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
石川 竜司 浜松医科大学, 医学部, 助教 (90436931)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三澤 清 浜松医科大学, 医学部, 教授 (90334979)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | トリプトファン代謝 / 好酸球性副鼻腔炎 / セロトニン / メラトニン / インドールアミン酸素 |
Outline of Annual Research Achievements |
好酸球性副鼻腔炎は、成人発症の、著明な好酸球浸潤を伴う再発しやすい鼻茸、粘度の高い鼻汁、嗅覚障害を特徴とした難治性疾患であり、患者は増加傾向にある。気管支喘息やアスピリン喘息に合併する例も多い。好酸球性副鼻腔炎の難治性が、どのような分子生物学的機序によって引き起こされているかについては、いまだ不明な点が多い。 2019年度から2022年度は、32例の好酸球性副鼻腔炎の手術患者のサンプリングを行った。術前の血漿サンプル、鼻内ポリープのDNA、RNA抽出を行っている。症例の内訳は、男性21名、女性11名。年齢は、33歳から76歳、平均55.8歳であった。目標サンプル数に達しており、また手術検体からmRNA、DNAを抽出している。抽出したmRNAを使ってリアルタイムRT-PCR法にて、トリプトファン代謝酵素(IDO1,KMO,KYNU,3HAO)の発現を調べる。FFPEからのプレパラートを使ってトリプトファン代謝酵素の免疫組織染色を行う準備を行った。 現在、臨床検査部にて遠心分離を行い冷凍保存していた凍結血漿1mlを島津製作所(京都府中京区)に郵送し、高速液体クロマトグラフ質量分析計にてトリプトファン代謝産物の一括測定を行った。現在、データー解析中である。対象コントロールとして、若年男性20名、若年女性20名、老年男性20名のトリプトファン代謝解析データーがあり、それと比較する。好酸球性副鼻腔炎の手術患者のトリプトファン代謝経路で正常人との比較で有意に増減のある代謝物質に関して、同時に保存してあるDNA、RNAを使って遺伝子配列、遺伝子発現の異常の解析を行う予定である。
|