2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K09918
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
小野 宗範 金沢医科大学, 医学部, 准教授 (30422942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 幸司 京都大学, 医学研究科, 助教 (20405765)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 内耳損傷 / 耳鳴 / 下丘 / 可塑性 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度には2019年度に発表した論文(Ma et al., Hearing Research, 2020)で見出した内耳損傷による下丘興奮性/抑制性ニューロンの活動バランス改変をもたらす細胞内機構の解明に向けた研究を行った。具体的には、神経細胞活動に大きな影響を及ぼすことが知られる軸索起始部の構造への内耳損傷による聴力低下がもたらす影響の定量的な解析を行った。その結果、内耳損傷による聴力低下後一週間では下丘の軸索起始部の形状には大きな変化が見られないことが分かった。今後さらに活動改変が決定的となる聴力低下後2カ月までの期間での軸索起始部の構造の変化を活動改変の程度と関連させて観察する予定である。軸索起始部の解析に加えて、ゴルジ標本による下丘ニューロンの樹状突起の形態変化についても解析を進めている。これらの形態解析に加えて聴力低下がもたらす遺伝子発現変化の下丘における網羅的解析を富山大学医学部・システム機能形態学講座の伊藤哲史教授と共同で進めている。すでに正常聴力の動物の下丘での遺伝子発現パターンに関してはデータが集積してきており、今後聴力低下のもたらす遺伝子発現変化の解析を進めていく予定である。また耳鳴緩和のための非侵襲的な方法として遠赤外レーザーの内耳器官照射法の開発を進めた。現在、遠赤外レーザー光による聴神経刺激プロトコールの開発を進めている。
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