2020 Fiscal Year Research-status Report
Establishment and analysis of preventive treatment for age-related hearing loss by transfer of T cell fractions
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19K09920
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
岩井 大 関西医科大学, 医学部, 教授 (10232638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 良樹 関西医科大学, 医学部, 講師 (10375298)
尹 泰貴 関西医科大学, 医学部, 助教 (60620755)
稲葉 宗夫 関西医科大学, 医学部, 非常勤講師 (70115947)
神田 晃 関西医科大学, 医学部, 准教授 (70375244)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | CD4+Tリンパ球 / ナイーブTリンパ球 / 老人性難聴 / モデルマウス |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らの研究の目的は、早期老化・老人性難聴のモデルマウスSAMP1を用いて難聴が免疫学的に予防出来る可能性を実証することである。 2020年度は当科研費開始2年目にあたる。用いる早期老化、老人性難聴モデルマウスは5ヶ月齢で難聴が顕著化し進行する。また、我々の実験では12ヶ月齢で最終アッセイの予定であった。そこではじめの1年間はレシピエント(ホスト)となるマウスを購入・飼育するとともに経時的に聴力検査(聴性脳幹反応、ABR)を行った。また、ドナーとなるマウスを購入し同系胎児胸腺移植や同系若年マウスリンパ球接種(非凍結群・凍結保存群)を定期的に行った。また、レシピエントマウスが12ヶ月齢となるのを待ち、全マウスのABR、Tリンパ球機能検査、リンパ球フローサイトメトリー、血清採取、蝸牛採取、胎児胸腺が移植された腎臓採取などを行った。さらに、蝸牛・腎臓の病理組織学的・免疫組織学的検査を加えているところである。 結果について現時点での検討では、同系胎児胸腺移植や同系若年マウスリンパ球接種により、コルチ器内外有毛細胞の細胞数は、実験群・コントロール群間で有意差はなかった。一方、螺旋神経節において、実験群での萎縮(細胞数減少)は無処置群(生食接種)群に比し有意に阻害されていた。ABRについても、上記の処置で難聴の進行が有意に抑制されていた。 以上のごとく実験はほぼ順調に進み、結果も予想に近いものであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験はほぼ順調に進んでおり、結果もほぼ予想されたとおりであった。 なお、老化・老人性難聴モデルマウスを使用しており、老化・老人性難聴発症を待つ必要がある。よって想定以上に実験を早く進めることは難しい。
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Strategy for Future Research Activity |
今後さらに、血清のnitoric oxide・サイトカイン測定、胸腺移植群での腎被膜下移植片の病理学的生着確認、蝸牛の免疫組織学的検討(浸潤細胞検索、native immune cell検索、NOS検索)を行う。日本耳鼻咽喉科学会(一般演題、5月)、および、日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会(シンポジウム、6-7月)などで発表する。 内容をさらに検討してのち、論文作成を行う。
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Causes of Carryover |
予算以上に購入しないよう調整したため。
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Research Products
(3 results)