2019 Fiscal Year Research-status Report
咽喉頭粘膜上皮における新規成体幹細胞の探索と細胞の多様性の解明
Project/Area Number |
19K09921
|
Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
庄野 朱美 関西医科大学, 医学部, 研究員 (10535066)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 成体幹細胞 / 咽喉頭粘膜上皮細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
背景と目的: 近年、シングルセルレベルでの網羅的トランスクリプトーム解析技術の向上に伴い、個体や臓器の発生、およびがんの成り立ちや組織幹細胞の同定をより詳細に解析することが可能となってきた。しかし、これまでに成体の咽喉頭粘膜上皮を詳細に解析した例はない。本研究は、咽喉頭粘膜上皮の細胞の多様性を明らかにし、新規成体幹細胞と分子マーカーを探索することを目的とする。 方法: 研究1-2年目(令和元年-2年度)は、1) 障害モデル作製; 放射線照射で粘膜上皮の炎症性障害モデルを作製、2) マイクロアレイ解析; 成体幹細胞と組織特異的分子マーカーの探索、3) In situハイブリダイゼーション; 局在解析を計画している。 結果: 令和元年度は、咽喉頭粘膜上皮やそれと連続した口腔内粘膜上皮細胞(口蓋粘膜細胞や頬粘膜細胞など)について、成体マウスを用い、1)放射線照射モデル、および2) オルガノイド培養法の条件検討を実施した。咽喉頭および口蓋粘膜上皮について、最適な放射線照射条件とオルガノイド培養法の条件を確立できた。オルガノイド培養法の条件を検討する中で、外胚葉由来である口蓋粘膜上皮については、FGFの種類により形成されるオルガノイドの構造に違いがあることを確認でき、成体幹細胞の維持と同系譜の細胞分化に関わる受容体が異なる可能性があることが示唆された。また、3) 予定していたマイクロアレイ解析をシングルセル解析へと方針を変更したため、その細胞調整条件を検討し、細胞処理後に80%以上の生細胞を保持できる条件を確立した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、研究1-2年目(令和元年-2年度)は、1) 障害モデル作製; 放射線照射で粘膜上皮の炎症性障害モデルを作製、2) マイクロアレイ解析; 成体幹細胞と組織特異的分子マーカーの探索、3) In situハイブリダイゼーション; 局在解析を計画していた。対象とする口腔内の各粘膜上皮に対する障害モデルの作製やオルガノイド培養法は確立できたが、予定していたマイクロアレイ解析をシングルセル解析に変更し、細胞調整条件を確立したが未施行であり、当初の予定として遅延傾向にある。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究2年目(令和2年度)は、予定していた1) シングルセル解析を実施し、データ解析により各粘膜上皮の分子マーカーの候補因子を抽出予定としている。また、同定した候補因子の局在確認のため、2) in situハイブリダイゼーションや免疫蛍光染色を実施予定としている。
|
-
[Journal Article] Development of an Exon Skipping Therapy for X-linked Alport Syndrome With Truncating Variants in COL4A5.2020
Author(s)
Yamamura T, Horinouchi T, Adachi T, Terakawa M, Takaoka Y, Omachi K, Takasato M, Takaishi K, Shoji T, Onishi Y, Kanazawa Y, Koizumi M, Tomono Y, Sugano S, Shono A, Minamikawa S, Nagano C, Sakakibara N, Ishiko S, Aoto Y, Kamura M, Harita Y, Miura K, Kanda S, Morisada N, and 6 others.
-
Journal Title
Nat Commun .
Volume: 11(1)
Pages: 2777
DOI
Peer Reviewed
-
[Journal Article] Molecular assay for an intronic variant in NUP93 that causes steroid resistant nephrotic syndrome.2019
Author(s)
Rossanti R, Shono A, Miura K, Hattori M, Yamamura T, Nakanishi K, Minamikawa S, Fujimura J, Horinouchi T, Nagano C, Sakakibara N, Kaito H, Nagase H, Morisada N, Asanuma K, Matsuo M, Nozu K, Iijima K.
-
Journal Title
J Hum Genet.
Volume: 64(7)
Pages: 673-679
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research