2021 Fiscal Year Research-status Report
アディポネクチン関連因子の網膜機能・形態に及ぼす影響についての検討
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19K09928
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
上野 真治 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (80528670)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | CTRP9 / Adiponectin / cone / ERG |
Outline of Annual Research Achievements |
本年も引き続きCTRP9ノックアウトマウスについて解析を行った。今までの網膜電図の結果やRNAシークエンスの結果よりRNAの発現、網膜における錐体密度の低下からCTRP9 ノックアウトマウスの錐体機能が低下していることを報告した。またこの錐体機能の低下は進行性ではないと予想された。 今年度は、qRTPCRにて網膜に発現する錐体、杆体、錐体・杆体の両方のRNAの発現を定量し、錐体に発現するmRNAのマーカーが低下しているが杆体や杆体・錐体のマーカーでは差がないことを確認した。また、免疫組織染色にて網膜における錐体(Cone Arrestin)、双極細胞(PKC),青錐体、緑錐体などの形態を確認した。結果はCTRP9ノックアウトマウスとWTでは明らかな差はなかった。このことからCTRP9ノックアウトマウスの網膜では錐体の形態に異常はなく数が減っていることが推測された。 今までの実験結果から、CTRP9は網膜には発現していないが、異所性に発現し網膜のレセプターに作用し錐体の発生に関与していると考えられた。また、CTRP9は発生後の網膜にはあまり影響を与えておらず、ノックアウトされた状態でも網膜の変性は進まないと考えられた。今後はCTRP9が網膜のどのようなレセプターを介して作用し、錐体のどのようなクラスターに影響を与えるか検討していく。現在、CTRP9ノックアウトマウスの表現型に関する論文をInvestigative Ophthalmology and Visual Scienceに投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CTRP9ノックアウトマウスについて解析が進み、論文の投稿まで進んだ。一方、AdipoR1ノックアウトマウスに関しては実験結果が思ったものとは違ったためこれ以上の研究は中止とした。
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Strategy for Future Research Activity |
CTRP9ノックアウトマウスに関しては表現型を報告する論文を投稿中である。一方予想通りの結果がでなかったAdipoR1ノックアウトマウスの解析は中止した。
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Causes of Carryover |
現在論文投稿中であり、今後リバイスによる実験の追加、また論文投稿料の支払いの為。
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