2019 Fiscal Year Research-status Report
神経膜性角膜症の重症例での角膜実質融解機序の解明に基づいた治療戦略の樹立
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19K09937
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
岡田 由香 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (50264891)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
雑賀 司珠也 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (40254544)
住岡 孝吉 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (40433362)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 神経麻痺性角膜症 / マウス / 重症 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウス三叉神経第1枝を18Gバイポーラ電極で頭蓋外から凝固することで、重症神経麻痺性角膜症モデルを作成した。このモデルでは、処置後1日目から角膜混濁が起こり始める。 安定して重症神経麻痺性角膜症モデルマウスを作成することができるようになっている。 このマウスモデルを使用し、経時的にchet Bonnet角膜知覚計を用いて、角膜知覚を測定した、また角膜の変化を見るために前眼部写真を撮影した。その結果、翌日から角膜知覚低下が起こり、6ヶ月以上経過しても角膜知覚は低下したままであった。角膜混濁、角膜血管侵入も翌日から起こり始め。時間経過とともに持続あるいは悪化していた。 この疾患の病態解明のため、経時的に屠殺し、角膜の状態をHE染色や各種炎症性サイトカイン、ケラチンなどの免疫染色を行った。角膜の肥厚はは6ヶ月以上に渡って持続していた。角膜の線維化の指標となるa-smooth muscle actin(a-SMA)は初期から実質に強く染色されたが、6ヶ月目には減少傾向にあった。好中球のマーカーであるMPOやマクロファージのマーカーであるF4/80も同様に初期では強く染色されるが6ヶ月目には染色されなくなった。角膜上皮特異的なケラチン12は正常では角膜上皮細胞に染色されるが、長期経過で発現が認められなくなった。上皮基底細胞のマーカーであるケラチン14は正常でも長期のものでも持続して上皮に発現していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウス重症神経麻痺性角膜症モデルは、安定して続けて作成している。経時変化や、免疫染色、ウエスタンブロット、real time RT-PCRをするために匹数を確保している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後マウス数を増やして、ウエスタンブロット、real time RT-PCRなど、さらなる検討をする予定である。
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