2020 Fiscal Year Research-status Report
神経膜性角膜症の重症例での角膜実質融解機序の解明に基づいた治療戦略の樹立
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19K09937
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
岡田 由香 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (50264891)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
雑賀 司珠也 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (40254544)
住岡 孝吉 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (40433362)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 神経麻痺性角膜症 / マウスモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
神経麻痺性角膜症は三叉神経第1枝が障害され角膜知覚が低下した症例で角膜上皮障害や角膜創傷治癒遅延が惹起されるきわめて難治性の疾患である。重症例では角膜潰瘍から角膜実質の融解、穿孔を来たし眼球崩壊に至る。根治的な治療法がなく、対症療法で治療される。申請者はマウス三叉神経第1枝を18G針(重症モデル)および20G針(軽症モデル)でバイポーラ熱凝固することで重症度を変えた神経麻痺性角膜症モデルの作成に世界で始めて成功した。重症モデルでは三叉神経障害に伴うと考えられる局所の炎症と角膜実質の融解、角膜潰瘍からの穿孔を来たし、眼球が崩壊した。本申請ではこの重症モデルでの実質幹細胞の恒常性破綻(アポトーシス)の病態への関与と神経障害による炎症惹起機序の解明の解析、さらにそれらを標的とした新規の治療戦略の探索のための研究計画を立案した。 幹細胞マーカーであるABCG2、 p63、Hes1の発現パターンを解析する。細胞増殖についてはBrdU染色を行い、角膜を輪部と中央部に分け、陽性細胞をカウントする。アポトーシスはTUNEL染色で確認する。BrdU染色やTUNEL染色は所属でルーチンに稼働している。ついで、三叉神経破壊重症モデルで同様の検索を行う。 炎症抑制を目的としてTNFα-NF-κBの制御を試みる。TNFα中和抗体[クローン5N(Hycult Biotech社3mg/k, Song W et, al. J Infect Dis, 2002)]、またはNF-kB阻害薬SN50(Merck社1mg/kg)を三叉神経障害直後から、毎日、腹腔内投与する。上記①と②に準じた組織病理、免疫組織化学、real-time RT-PCRで治癒過程を評価する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウスモデルの作成と免疫染色やreal time RT-PCRでの炎症性サイトカインや幹細胞マーカーの検討はすでに終了している。
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Strategy for Future Research Activity |
炎症抑制を目的としてTNFα-NF-κBの制御を試みる。TNFα中和抗体[クローン5N(Hycult Biotech社3mg/k, Song W et, al. J Infect Dis, 2002)]、またはNF-kB阻害薬SN50(Merck社1mg/kg)を腹腔内投与して、検討する予定である。
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Causes of Carryover |
次年度に薬品を購入するため
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