2019 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of visual central nervous system using ferret glaucoma model
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19K09946
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤代 貴志 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (60789600)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | Konio細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウスとラットは中枢神経神経の発達が未熟であり、LGNは層構造を形成していない。そのため、高眼圧による中枢神経障害を解析するための適切な動物モデルとして活用することができない。ヒトとサルでは、LGNは6層構造を形成しているが、Konio細胞は、この6層のLGNの層間に分布する特殊性があるために、これまでのところKonio細胞を詳細に観察することが困難で、詳細な報告がほとんどない。また、ヒトとサルにおけるKonio cellは、フェレットでは、W細胞であることがわかおり、フェレットでは、このW細胞は、LGNの層構造のC層に特異的に投射をしており、W細胞に狙いを絞って障害の解析を行うことができるこれまでの実験ではできないことが可能になるという大きな利点がある。 そこで私が開発をした高眼圧フェレットを使用して、緑内障が視覚中枢であるLGNにおける高眼圧がもたらす神経障害について検討することができた。フェレットを用いて解析を行ったことは、世界で初めての研究となる。高眼圧の眼球から投射されたLGNのA、A1、およびC層におけるニューロンの数の減少とグリア細胞数の増加を確認することができ、興味深いことにその中でも特にC層への変化が最も大きいことがわかった。これは、C層に投射しているW細胞が、AおよびA1層に投射しているXおよびY細胞と比較して、高眼圧によって引き起こされる神経障害に対してより感受性が高い可能性を示唆していると考えられた。 今回、行った研究の結果から、高眼圧による中枢神経障害がA層とA1層よりもC層で強いことを明確に示しており、高眼圧フェレットモデルは、ヒトやサルのKonio細胞に対応するW細胞の解析において、有用性が高いことを示せた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今回、高眼圧がLGNにどのように神経障害とグリア系細胞の活性化を起こしているかを論文ににまとめ、publishできたため。 今後は、視覚中枢のさらに高次である脳皮質のV1において高眼圧がもたらす神経障害の詳細について検討を進めていきたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の展望として、眼圧の上昇とLGNにおけるNeuronの障害とグリア細胞の活性化の関連性を明らかにするために、線維芽細胞の注入後の高眼圧の期間が異なるグループ毎にNeuronの障害とグリア細胞の活性化の関連性を検討し、高眼圧による視覚中枢神経の障害の新たな知見を発見したいと考えている。 研究を進めることで、詳細に視覚中枢神経の障害メカニズムを明らかにすることによって、病気の早期から生じる特定の神経細胞の保護に必要な知見を得ることができるのではないかと考える。 また、さらに高次の中枢であるV1での障害を検討していく予定であり、最終的な目標としては、緑内障早期からや眼圧以外の因子による中枢神経の障害メカニズムを応用して、眼圧以外からのアプローチで緑内障における神経の保護を行う新規の治療戦略を探索していきたい。
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Causes of Carryover |
物品購入などで、わずかにできた端数の金額である。 そのために余った金額であり、次年度の物品購入などの実験機材の購入へ当てたいと考えている。
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Research Products
(1 results)