2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of intraocular sustained release system for antibodies by gas-filled hollow device
Project/Area Number |
19K09954
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
安川 力 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (00324632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 佳男 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (40405163)
加藤 亜紀 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (60405157)
小椋 祐一郎 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (70191963)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 眼科学 / 加齢黄斑変性 / 抗VEGF療法 / ドラッグデリバリーシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
わが国における視覚障害による身体障害の原因疾患の第4位の難治性疾患である加齢黄斑変性(AMD)は、黄斑下に脈絡膜新生血管が発生し、放置すると急激に視力低下し不可逆的な視力障害に至る。治療の第一選択の抗血管内皮増殖因子(VEGF)薬の硝子体内注射により、多くの症例で、視力改善・維持が可能となったが、しばしば頻回の硝子体内注射の継続が数年に及ぶため、高額な薬価の問題に加え、低頻度であっても脳梗塞など全身への影響や、高齢者のために他の病気や認知症などで通院や治療の継続が困難となる状況が生じるなどの問題が浮き彫りになってきている。ドラッグデリバリーシステム(DDS)により薬物徐放できれば、治療頻度の減少、薬効の改善、副作用の軽減が期待でき、これらの諸問題の解決につながるが、抗体医薬などのタンパク製剤の徐放は高い水溶性と高浸透圧の特性により、これまでの方法では困難であった。そこで、我々は、中空デバイス内を気体で満たした新しいDDS製剤の開発を行なっている。網膜剥離手術で用いる輪状締結と同様の形状の内部が中空のシリコーン製またはテフロン製のデバイスに気体を封入して、デバイスの先端部の開放部を眼内に埋植し、現在、気体の減少速度とデバイスの材質、剤形などの影響を評価した。テフロンは固く、シリコーンではガス透過率が高く、2週間以内にガスが消失して徐放には不向きであった。現在、ガス透過性の低い素材の選別をして、再度、家兎に埋植して、徐放性を評価している。
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