2021 Fiscal Year Annual Research Report
The effect of anti-inflammatory agent, Gnetin in diabetic retinopathy
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19K09958
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
久保田 俊介 慶應義塾大学, 政策・メディア研究科(藤沢), 特任准教授 (90406041)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 みゆき 慶應義塾大学, 政策・メディア研究科(藤沢), 特任講師 (80468511)
小澤 洋子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任准教授 (90265885)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | Gnetin / 糖尿病網膜症 / 抗炎症作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病網膜症は、日本における第3位の失明原因である。現在多用されている薬剤が高額なため、負担の少ない新たな治療法が求められている。申請者は、糖尿病モデルマウスに対しresveratrolが抗炎症作用を介して症状を改善することを報告した。一方、resveratrolの二量体であるGnetinにはresveratrolより強い生理活性効果が多数報告されるようになった。本研究では、糖尿病モデルマウスにGnetinを投与して、Gnetinの糖尿病網膜に与える効果をresveratrolと比較し解析する。さらに、Gnetinの生理活性効果を利用する糖尿病網膜症に対する新たな治療法の開発を目指すことを目的とした。 我々はこの研究において糖尿病モデルマウスの作成を行った。マウスにストレプトゾトシン (STZ) を腹腔内注射すると、STZが膵臓に取り込まれ膵ベータ細胞を破壊するため高度の高血糖が誘導され、糖尿病網膜症でみられる網膜炎症が誘導された。網膜血管炎症の評価のために、網膜血管接着白血球数をCon Aレクチンによる灌流ラベル法を施行した。Con Aレクチンは血管内皮細胞および白血球の細胞膜表面の糖鎖に結合するため、本法により血管系と血管内壁に接着した白血球の両者が同時に描出できた。撮像は蛍光顕微鏡IX71TM (オリンパス)を用いた。糖尿病モデルマウスに対しresveratrol とGnetinを内服投与させ、接着白血球数を測定したところ、両者とも接着数は有意に減少したが、両群間に差を認めなかった。Gnetinに糖尿病網膜炎症を抑制する効果は認められたが、resveratrolとの効果に差を認めず、優位性を証明することができなかった。今後、Gnetinの投与量などを検討し優位性が無いかどうか検討を進めていく予定である。
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