2021 Fiscal Year Annual Research Report
網膜色素上皮細胞の脂質プロファイルとドルーゼン形成メカニズムの解明
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19K09991
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
池田 華子 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (20372162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 明生 京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (50572955) [Withdrawn]
岩井 祥子 京都大学, 医学研究科, 特定研究員 (00768905)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 加齢黄斑変性 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在日本において、加齢黄斑変性(age-related macular degeneration, AMD)は中途失明の主な原因の一つであり、人口の高齢化に伴い、患者数は増加の一途をたどっている。脈絡膜新生血管を伴う滲出型と、新生血管を伴わず、網脈絡膜萎縮をきたす萎縮型ともに、AMDの発症には、網膜色素上皮(retinal pigment epithelium, RPE)の脂質代謝をはじめとする加齢変化が重要であるとされる。ドルーゼンは脂質を中心とした老廃物の蓄積物と考えられ、RPEの加齢変化を示す所見とされている。本研究では、、「網膜色素上皮細胞内の脂質プロファイルがどのようにドルーゼン形成に関与するのか」を解明する事を目的とした。 ドルーゼンをもつ患者および健常者からiPS細胞細胞を樹立し、網膜色素上皮に分化させた。健常人iPS細胞由来網膜色素上皮と患者由来RPEでの形態を比較検討した。網膜色素上皮特異的遺伝子発現や、形態には、大きな差異は認めなかった。さらに、貪食能にも大きな差は無かった。さらに、健常人・患者iPS由来網膜色素上皮を用い、メタボローム解析を行った。iPS由来網膜色素上皮細胞を用いた網羅的脂質解析において、健常人と患者は、きれいにクラスタリングされた。つまり、患者に特異的な脂質プロファイルが明らかになりつつある。現在、ある脂質に着目した検討を進めている。脂質とドルーゼン形成のメカニズムが明らかになれば、ドルーゼンをターゲットとした治療法開発の礎とする事が可能となると考える。
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Research Products
(12 results)