2020 Fiscal Year Research-status Report
網膜色素変性の新規原因遺伝子の同定-罹患者の全エクソーム解析のデータを活用して-
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19K09992
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐藤 茂 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (70738525)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
不二門 尚 大阪大学, 生命機能研究科, 特任教授 (50243233)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 遺伝性網膜変性症 / 全エクソーム解析 / 黄斑ジストロフィー / 網膜色素変性 / ゼブラフィッシュ |
Outline of Annual Research Achievements |
我々のグループで行っている遺伝性網膜変性患者の全エクソーム解析のデータ等を活用し、抽出した新規遺伝性網膜変性の原因候補遺伝子について、マウスオーソログ遺伝子を同定しマウス網膜サンプルを用いて、in situ ハイブリダイゼーション法にて二次スクリーニングを行った。その結果、網膜視細胞におけるmRNAの発現が確認できた遺伝子をこれまでに13個同定した。現在、順次その特異抗体を購入し、マウス網膜を用いて免疫組織学的にタンパクの局在解析を行っている。それと並行して、遺伝子の三次スクリーニングとしてゼブラフィッシュをモデル動物として、Crisper CAS9システムを用いた遺伝子ノックアウトゼブラフィッシュの作成を開始している。現在は2ラインの作成を開始しており、その稚魚を成育中である。ノックインしたGFPやmCherryの稚魚での発現を確認できており、我々のCrisper CAS9システムはワークしていると現時点では考えており、引き続き、候補遺伝子のノックアウトゼブラフィッシュの作出を行う。ノックアウトゼブラフィッシュの作成並びに網膜形態の解析にて網膜変性の表現型を確認できたものは、ノックアウトマウスの作出を行い、電気生理的解析、行動実験にてその機能を解析する。その結果を遺伝性網膜変性患者の全エクソーム解析に還元し、新規遺伝性網膜変性の原因遺伝子の同定につなげる。このことは、遺伝子治療等の新規治療法開発の基礎データとなる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
順調に新規遺伝性網膜変性の原因候補遺伝子絞り込みが進行しており、ノックアウトゼブラフィッシュの作成に入っている。同時に免疫組織染色での網膜内タンパク局在の解析も開始しており、おおむね順調と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、候補遺伝子のin situ ハイブリダイゼーション法によるスクリーニングを継続しながら、ノックアウトゼブラフィッシュの作出とその網膜形態解析を行う。ノックアウトゼブラフィッシュにて、網膜変性の表現型を示すものは、ノックアウトマウスを作成し、その機能解析を行う。
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Causes of Carryover |
コロナのため、学会がWeb開催となり旅費を使用しなかった。また同様の理由で謝金も使用しなかった。実験の時間が増えたため、物品費は増加している。次年度はノックアウトマウスの作出を行うため、更に物品費が増加することが見込まれるが、旅費と謝金は増加するかはコロナの状況が見通せないため不明である。
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