2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K09995
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
山田 教弘 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (00400721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
目黒 明 横浜市立大学, 医学研究科, 特任准教授 (60508802)
水木 信久 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (90336579)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 近視 / ゲノムワイド関連解析 / SNP / 遺伝子発現 |
Outline of Annual Research Achievements |
近視は眼軸の延長と水晶体の屈折力の変化により、網膜への結像が障害される眼疾患である。近視の中で、眼軸長の異常な延長を示す強度近視は、網膜剥離や黄斑下出血、緑内障、白内障、網膜変性症などの基礎疾患となり、重篤な視力障害を引き起こしうる。強度近視の本邦の有病率は世界一の水準にあり、このような眼疾患の予防、治療に当たっては、個人における継続的な生活習慣の改善および疾患の早期発見が極めて重要であり、疾患の予防および治療に先立った疾患の発症要因の十分な解明が必要とされる。既に私達は、強度近視を対象としたゲノム全域を対象とした遺伝子多型解析(ゲノムワイド関連解析:genome-wide association study(GWAS))を国内外のグループと共同で実行し、強度近視患者を対象としたゲノム全域に渡る遺伝子多型情報を収集している。本研究では、強度近視を対象にゲノム全域を対象とした遺伝子発現(whole-genome gene expression:WGE)解析を実行し、強度近視のWGEデータとGWASデータを結合した総合評価を行うことで、強度近視の遺伝要因および発症パスウェイの同定を目指す。 令和2年度は、令和元年度までに取得しているGWASデータとWGEデータを結合して強度近視の遺伝要因の総合的評価を実行し、強度近視の発症リスクに影響を与える遺伝要因の候補を網羅的にスクリーニングした。さらに、両データを対象としたパスウェイ解析を実行し、強度近視の発症に関与するパスウェイ(生物学的過程・経路)の候補を特定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、強度近視の発症に関与する遺伝要因および発症パスウェイの網羅的な同定を行う。現在までに、強度近視のGWASデータとWGEデータを結合した遺伝要因の総合的評価を実行し、強度近視の発症リスクに影響を与える遺伝要因の候補を網羅的に見出している。さらに、両データを対象としたパスウェイ解析を実行し、強度近視の発症に関与するパスウェイの候補を特定している。 以上より、本研究は当初の研究計画のとおり、「おおむね順調に進展している。」といる。今後引き続き研究を進めることで、当初の目標を達成できると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られている研究成果について、新たな集団を用いて追認試験を実行する。具体的には、特定された遺伝要因(SNP)を対象に、新たな日本人集団および海外人種集団を用いて疾患との相関性および遺伝子発現量、パスウェイの評価を実行する。SNP解析および遺伝子発現量解析はTaqManアッセイを用いて行う。
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