2019 Fiscal Year Research-status Report
間葉系幹細胞および血管内皮前駆細胞を用いた放射線障害組織の根本的再生治療法の開発
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19K10013
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
加持 秀明 自治医科大学, 医学部, 客員研究員 (10586366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 浩太郎 自治医科大学, 医学部, 教授 (60210762)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 脂肪組織由来幹細胞 / 血管内皮前駆細胞 / 慢性虚血性潰瘍 / 放射線障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
【投与細胞準備】当院にて腹部または大腿部に対する脂肪吸引術を行った際に臨床上不要となった脂肪組織を採取し、ASCおよびAEPCを純化培養し、液体窒素にて保管した。 【慢性放射線潰瘍モデルマウスの作製】7週齢のオスのヌードマウスを用いて実験を行った。実験終了までの期間は、マウスの全身状態の評価のために毎週体重測定を行い、その経過を記録した。イソフルラン吸入麻酔下に背部皮膚へ放射線を局所照射を行った。(横臥位のマウス全身をドーム状に成型した鉛板で遮蔽し、背部皮膚を鉛板遮蔽から引き出す)。毎回5Gyを週2回、計4週間照射した(合計40Gy)。放射線非照射群では、イソフルラン吸入麻酔のみを施した。照射終了12週後に、バイオプシーパンチにより皮膚全層を切除した。創面収縮を防ぐ目的で、ドーナツ型のシリコンスプリントを6-0ナイロンで固定した。 【細胞投与】0.2%無架橋ヒアルロン酸含有培地に細胞を懸濁した。細胞投与条件は、①放射線照射なし、細胞投与なし、②放射線照射あり、Vehicleのみ、③放射線照射あり、ASC 1x10^5cells、④放射線照射あり、AEPC 5x10^4cells、⑤放射線照射あり、AEPC 2x10^5cells、⑥放射線照射あり、AEPC 5x10^5cells、⑦放射線照射あり、ASC 1x10^5cells+AEPC 2x10^5cells、⑧放射線照射あり、ASC 1x10^5cells+AEPC 5x10^5cellsとした。 【観察】細胞投与日を0日目として28日目までの創傷部の経過を一眼レフカメラでマクロ撮影し、創の面積から創傷治癒効果を評価した。28日目にマウスを5%イソフルラン吸入により安楽死させ、バイオプシーパンチにより創傷部の組織を採取した。摘出した組織は、Zinc固定液を用いて4℃にて24時間固定を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヌードマウスを用いた実験は安楽死まで終了した。今後はデータ解析及び、採取した組織の解析を行っていく。
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Strategy for Future Research Activity |
ヌードマウスの慢性放射線潰瘍モデルから採取した組織の組織学的な解析により、創部へのヒト細胞の生着率を確認する。ヒト細胞生着は、ヒトに特異的な抗体(ヒトゴルジ体に対する抗体)を用いる。さらに生着したヒト細胞の細胞種を幹細胞マーカー、血管内皮細胞マーカー、線維芽細胞マーカー等で確認する。創部全体の形態をMallory-Azan染色等により評価する。瘢痕組織の線維組織量や血管の数、上皮組織の厚みなどの質的な評価も行う予定である。
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Causes of Carryover |
当該研究については現時点では学会発表は行っておらず旅費を計上していないこと、組織解析をまだ本格的に開始しておらず抗体などの試薬を購入していないことから次年度使用額が生じた。次年度は学会発表の旅費および抗体などの試薬購入し使用する計画である。
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