2023 Fiscal Year Annual Research Report
自己末梢血単核球増幅細胞を用いた脂肪組織移植生着率の向上のための基盤技術開発
Project/Area Number |
19K10014
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
藤村 聡 順天堂大学, 医学部, 特任助教 (00517542)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 里佳 順天堂大学, 医学部, 教授 (70509827)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 脂肪組織 / 血管内皮前駆細胞 / 細胞移植 / 移植生着率向上 / 血管再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
乳がん患者乳房切除術後の乳房再建成績向上による患者QOL改善のため、生体外増幅培養(QQ)培養法により血管形成能が向上した自己末梢血単核球生体外増幅(MNC-QQ)細胞を脂肪組織とともに移植することで移植組織内に酸素、栄養の供給を行い、移植脂肪組織生着率が向上することを目的とする。 昨年度までにKSL細胞(マウス血管内皮前駆細胞)をQQ培養へ供したKSL-QQ細胞が血管密度を増加させマウス脂肪組織生着率を改善することで脂肪移植術における成績を向上させることを見出した。さらにヒト末梢血単核球(MNC)をQQ培養へ供したMNC-QQ細胞が高い血管再生能と抗炎症性能を示すこと、免疫不全マウスへの移植においてMNC-QQ細胞が有意に生着率及び残存脂肪量を向上させること、回収組織において血管数は有意に増加することを示し、残存脂肪量と血管数の間に相関することからMNC-QQ細胞による血管形成が脂肪生着率向上へ寄与することを見出した。さらに血管形成の促進と脂肪生着率が向上するメカニズム解析として移植脂肪組織の解析を行い組織内でMNC-QQ細胞が血管を形成する細胞に分化している事を見出した。また、これらの移植脂肪組織におけるmRNA発現をqPCR法で解析したところ、MNC-QQ細胞を混合した移植脂肪組織内において有意に血管形成を促進するサイトカインの発現が増加しており、この増加によって血管が誘導されたことが推測された。 本年度は、MNC-QQ細胞と脂肪組織を混合して移植した場合に脂肪組織単独、単核球または間質血管細胞群との混合移植より線維化が抑制される傾向があり、血管数の増加と相関して線維化が抑制されていることを見出し、これらの効果により移植脂肪組織の生着が向上していることが示された。さらに本研究の成果を基に再生医療安全確保法下の臨床研究に関して再生医療等提供計画の提出を行っている。
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