2021 Fiscal Year Annual Research Report
表面改質した複合型吸収性ナノファイバー足場を用いた耳介形状軟骨の3次元再生誘導
Project/Area Number |
19K10020
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
磯貝 典孝 近畿大学, 医学部, 教授 (90203067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
諸富 公昭 近畿大学, 医学部, 准教授 (10388580)
楠原 廣久 近畿大学, 医学部, 講師 (50388550)
和田 仁孝 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (10460883)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | Cartilage / ear / tissue engineering / ethanol treatment |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、エタノール処置により表面改質された複合型吸収性スカフォールドと軟骨組織との親和性を評価した。まず肉眼所見および組織学的検討を行った。移植後 10 週目では、スカフォールドの一部に足場の小孔が透見された。この所見に比較して、移植後 20 週目では,スカフォールド表面に白色色調や光沢が観察され、耳介特有の輪郭形状がより明瞭に表現された。組織学的には、移植後 10 週目では,スカフォールドの表面部に Safranin O 染色陽性領域を認めた。スカフォールド内部における陽性反応は不十分であった。移植後 20 週目において、スカフォールドの辺縁部の Safranin O 染色陽性領域は内部に向けて拡大し、表面のみでなくスカフォールド内部においても陽性領域が観察された。この結果、エタノール処理を行ったスカフォールドの表面に生じた軟骨再生は、経時的に進行し、スカフォールド中心部に向かって軟骨再生が促進することが示唆された。 次に、軟骨基質の産生と軟骨被覆率の検討を行った。Safranin O 染色された軟骨再生の面積比およびスカフォールドが再生軟骨により被覆される軟骨被覆率を調べた。その結果、軟骨再生面積比は、移植後 10 週目 (約 20%) に比較して、移植後 20 週目において有意な高値 (約 40%) を示し、経時的な軟骨基質の増加が認められた。一方、軟骨被覆率は、10 週目において 63% であったが、20週目には88% に有意に増加した。これらの結果より、表面改質した複合型吸収性スカフォールドは、経時的な軟骨基質産生を促進し、耳介3次元形状を長期維持するための足場として適していることが判明した。
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Research Products
(3 results)