2020 Fiscal Year Research-status Report
リンパ管再生を目的とした軟部組織遺伝子治療方法の開発
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19K10023
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山下 修二 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30457220)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
御任 大輔 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (80746412)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | リンパ管 / リンパ管新生 / リンパ浮腫 / アデノ随伴ウイルスベクター / 遺伝子治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
リンパ浮腫は、がんに対する手術、放射線治療後に高頻度で認められる、無視することのできない医原性後遺症の一つである。再現性、奏効率の高い治療方法は知られておらず、多くの患者が治療を継続、反復しながら生涯にわたる病悩を抱え続ける。将来的な臨床応用の実現性が高く、病態に対して大きな表現型の変化を与えうる介入方法として、本研究ではアデノ随伴ウイルスベクター(AAV)を用いた遺伝子導入によるリンパ管再生の誘導方法を以下の3項目の順に開発する。 1) リンパ管内皮細胞特異的な指向性を有するAAVカプシドの開発 2) リンパ浮腫動物モデルと、ICG蛍光造影を用いた評価法の確立 3) リンパ管再生促進因子の局所導入によるリンパ管再生促進療法の開発
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
AAVは、外殻を構成するカプシドの血清型によって感染効率に細胞種特異的な指向性を有する。現在、既知のリンパ管再生促進因子群を、周辺組織、およびリンパ管内皮細胞、それぞれに特異的に遺伝子導入しリンパ管再生を促進する方法の開発に取り組んでいる。リンパ管内皮細胞に特異的な指向性を有するAAVカプシドは、AAVの定方向進化を用いて本研究固有に開発を進めているが、これまでにリンパ管内皮細胞に対して指向性を検討した報告はなくtry and errorを繰り返しながら行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
培養マウスリンパ管内皮細胞(mLEC)に対してGFPを発現する既存の野生型AAV(AAV-1, 2, 3, 4, 5, 6, 8, 9)の感染実験を行い、最も高効率に遺伝子導入できるAAVを選択する。また、リンパ浮腫動物モデルとして高い再現性を得られるモデルの最適化も同時に行う。
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Causes of Carryover |
次年度使用額の発生は、実験遅延によるものである。今年度は、よりスピード感を持って実験に取り組み、引き続き実験動物、試薬等消耗品に使用する予定である。
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