2021 Fiscal Year Research-status Report
組織間葉系細胞亜集団の同定およびクロストークによる組織修復機構の解明
Project/Area Number |
19K10024
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
馬渕 洋 順天堂大学, 大学院医学研究科, 特任准教授 (50424172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤澤 智宏 順天堂大学, 大学院医学研究科, 教授 (80291160)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 間葉系幹細胞 / Single-Cell RNA Sequence / 細胞多様性 / 細胞間クロストーク |
Outline of Annual Research Achievements |
間葉系幹細胞は、骨髄をはじめ様々な組織に存在し、生体の恒常性に関与していると考えられている。また間葉系幹細胞は細胞治療の重要なソースとして実用化されており、細胞移植による組織再生効果が確認されている。しかし、治療に関与する細胞集団および細胞分泌因子の同定といった特性解析は進んでいない。本研究では、単一細胞レベルでの遺伝子発現及び表面抗原を指標として間葉系幹細胞を分類することにより、組織修復に関与する因子の特定を行った。本年度では、前年度までにマウス四肢細胞で行った解析と同様に、ヒト骨髄細胞を用いたSingle-Cell RNA Sequence解析を行った。ヒト間葉系幹細胞に特徴的な細胞表面マーカー(LNGFR+THY-1+)を用いてフローサイトメーターにより分離し、間葉系細胞の亜集団の違いを解析した。その結果、マウス組織と同様に複数からなる間葉系亜集団の存在を確認した。ヒト骨髄組織組織に存在する間葉系細胞は複数のクラスターに分類でき、機能的(コロニー形成能力・多分化能力)に違いがあることが示唆された。マウスにて得られた知見をヒトに展開することが可能であった。当初の計画を予定であった実験結果が得られており、順調に進展していると考えられる。現在、その中でも代謝的に特殊な機能を有する間葉系細胞クラスターを見出し、in vitroおよびin vivoでの性状解析を進めている段階である。幹細胞・前駆細胞を含む間葉系細胞亜集団の特性の多様性を明らかにするため、それぞれの集団を細胞表面抗原と遺伝子発現により詳細に定義し、細胞間のクロストークを解析していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度では、ヒト骨髄に対するSingle-Cell RNA Sequenceによる解析および各クラスターに対する特異的なマーカーの選定に成功した。現在、間葉系細胞の亜集団の機能的な違いを明らかにするため、各集団に特異的な細胞表面マーカーを用いて機能解析を行っており、概ね研究は順調に進んでいると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナウイルスによる社会情勢の大幅な変化のため、動物実験等の計画的な実行が一部制限された部分があった。今後は、再生因子分泌に関わるトリガー探索を行うことで、間葉系幹細胞の治療効果の根拠確立や治療効果の規格値設定につなげていく。
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Causes of Carryover |
コロナウイルスによる社会情勢変化により、論文投稿のタイミングが遅れたため、次年度における使用額が生じた。そのため、次年度使用額は、英文校正費および論文出版費などに使用予定である。
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Research Products
(7 results)