2023 Fiscal Year Research-status Report
ヒト毛包原基大量培養法を用いた毛髪再生医療実現化に関する基礎的研究
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19K10026
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
蛯沢 克己 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (20397459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀井 譲 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (10257678)
福田 淳二 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (80431675)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ヒト毛髪再生 / ヒト毛包原器大量培養 |
Outline of Annual Research Achievements |
引き続き滞っているヒト毛包上皮細胞の培養を行った。ヒト毛包組織からの上皮細胞の初代培養は可能であるが、第2継代あらりから上皮細胞の増殖が悪くなってしまった。臨床では10株の採取で500株ほどが必要と考えるが、現状では遠くおよなない結果となっている。新たな方法を探すべく、2023年10月には日本臨床毛髪学会、2024年3月には日本再生医療学会へ参加したが、ヒト上皮系細胞培養に関する新たな知見は見つけられなかった。 研究分担者の福田は、細胞を懸濁したコラーゲンゲルから、小球を作るデバイスを開発した。マウス皮膚より得た上皮細胞と間葉系細胞をコラーゲンゲルに懸濁し、このデバイスで小球を作成し、3日間非接着培養を行ったところ、小球は縮小し、ヤヌス型を呈した毛包原器となった。従来の細胞のみで毛包原器を作成したものと、本法で作成したヤヌス型毛包原器をマウス背部へ移植したところ、本法で作成した毛包原器の方が発毛が多かった。 さらに福田は、ヒト頭皮化マウス作成を試みた。免疫不全マウス背側皮膚に直径4mmの皮膚欠損を作成し、同部に直径0.5から1mmでパンチされたヒト頭皮微小片を埋め尽くすよう移植、細胞培養インサートにて固定し、1週間後に除去した。 2か月後に移植部位から発毛を確認した。また、再生した毛髪ではキューティクル構造も確認した。7か月後に再構築された皮膚を採取し、ヒト核の免疫染色を行った結果、再構された皮膚がヒト細胞で構成されていることを確認した。これらの結果からマウス背部に毛包を有するヒト頭皮を構築できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
毛髪再生には上皮細胞と間葉系細胞の相互作用が必要である。マウスを利用した実験ではすでに良好な結果を得ているが、人組織の場合、毛包誘導能を持った毛乳頭細胞の大量培養には成功しているが、上皮細胞に関しては未だ良好な結果を得られていないため、実験全体が前に進んでいない。
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Strategy for Future Research Activity |
とにかく毛包誘導能を有したヒト上皮細胞の大量培養法開発に注力する。具体的には上皮培養の専門家の助言を仰いだり、培養容器の工夫などを研究分担者の福田ともシスカッションを重ね、なんとか打開したいと考えている。 上皮の培養がうまくいけば、マウス細胞と同等の手法で移植実験を行い、評価をしていく。
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Causes of Carryover |
実験が遅れていて、研究機関を本年度まで延長したため
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