2020 Fiscal Year Research-status Report
マウスを用いたin vivo 細胞融合法による神経軸索即時機能回復法の検討
Project/Area Number |
19K10027
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
成島 三長 三重大学, 医学系研究科, 教授 (80431873)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 神経 / 融合 / 再生 / 軸索 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は昨年行ったマウス下肢の坐骨神経を用いた軸索融合モデルマウスの神経切断と再縫合による再疎通後の神経再結合の回復過程に関する予備実験をもとに、実験を行った。具体的にはマウス下肢神経(坐骨神経)を用いて、①キャットウォークを用いたsciatic scoreによる歩行機能評価②神経刺激装置を用いて筋電図および伝導速度の計測による神経機能評価③神経標本による形態学的評価の3評価を行った切断前に①および②を行い、切断後の神経変化について2週間後および4週間後に①~③の評価を同様に行った。軸索内微小管上を走行するキネシン(KIF1b)によって運ばれるミトコンドリアを二光子顕微鏡にて観察し、軸索内の細胞骨格の再構築についてミトコンドリアの軸索輸送の継時的変化を含めて観察コントロールデータは学内のコロナ対策に関連し、今年度は行えなかった。 融合法の検討としてHVJ(センダイウィルス)による融合法を予定していたが、近年PEGによる臨床研究の報告(Paskal AM,J Plast Reconstr Aesthet Surg. (2020), Paskal AM et al. Int J Mol Sci. (2019))があり、PEGを用いた融合法についても比較実験のための準備とまた電気融合法による神経融合法の検討も同時に行った。PEGは研究報告を参考にまたHVJキットと電気融合装置さらに軸索間を埋めるようにリポソームを追加して融合することとした。 実際の結果としては、コントロール群と融合実験群で明らかな有意差を認めず、現時点では軸索融合がなされていないと判断した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナの影響によってニ光子顕微鏡による確認手法が用いることができず、他の方法(筋電図、標本作成評価等)のみであるため。また現在の手法では細胞融合を行うことが難しいことが実験から導き出されており、さらなる実験方法の改善が必要となっているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度に得られたデータを十分に解析し、問題点および改善点を洗い出したうえで、今後の実験方法を計画し、その改善した手法を用いて再度実験を行う。
|
Causes of Carryover |
理由:新型コロナウイルス感染拡大による研究が遅延したため 使用計画:次年度に行う改善融合法実験とミトコンドリアGFPマウスを用いたニ光子顕微鏡観察等による経時的変化確認に使用する予定である。
|