2020 Fiscal Year Research-status Report
ユビキチンE3複合体を標的とした血管奇形の新規治療戦略の創出
Project/Area Number |
19K10030
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
中岡 啓喜 愛媛大学, 医学部附属病院, 准教授 (30172266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東山 繁樹 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 教授 (60202272)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 血管新生 / ユビキチン / 血管奇形 / 血管腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
血管内皮細胞の増殖、透過性、血管新生を制御する4つのCUL3型ユビキチンリガーゼ複合体に関して、解析を進めた。特に、R1年度において同定したSPOPとSNX9に関して組織学的解析を検体数を増やして実施した。その結果、SPOPが血管奇形及び、血管腫組織中の血管内皮細胞及び、角化細胞においても強く発現している事を見出した。 そこで、細胞レベルにおけるSPOPの機能解析を行うため、ヒト臍帯静脈血管内皮細胞 (HUVEC)及び、primary keratinocytesにおいて、SPOPを遺伝子レベルで発現抑制できるsiRNAを2種類構築した。構築したsiRNAをリポフェクション法により、HUVECとprimary keratinocytesに対して導入した結果、2種類のsiRNA oligosともに、タンパク質レベルでSPOPをほぼ完全に消失させた。この条件下では、HUVECの細胞増殖が著しく阻害された。SPOPの発現が変化する事で、血管内皮細胞の増殖能が大きく変化し、血管奇形などの病態を呈する可能性が示唆される。Primary keratinocytesに関しては、表現型解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
血管内皮細胞で機能的なCUL3型ユビキチンリガーゼ複合体の同定に成功し、その細胞レベルでの機能解析と分子機構解析が進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
R3年度はSPOP依存的にユビキチン化を受け、血管内皮細胞に機能的で、血管奇形や血管腫の発症に関与する標的基質タンパク質の同定を試みる。同定後は、SPOP/基質タンパク質の結合検出系を構築し、当該結合を阻害するような制御剤の探索を進める。 また、SPOPのprimary keratinocytesにおける機能解析も並行して進める。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため、薬品、物品などの使用量が少なく購入額が購入予定額を下回ったため。
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