2021 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of age-related decline in circadian rhythms
Project/Area Number |
19K10046
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中村 渉 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (60372257)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | サーカディアンリズム / 体内時計 / 視交叉上核 / 加齢 / 睡眠・覚醒リズム |
Outline of Annual Research Achievements |
サーカディアンリズムは加齢に伴い、生理機能動態のタイミング分配(同調)機能が低下する。これに関連して我々は生殖機能の加齢変容において、環境サイクルとサーカディアンリズムとの時間秩序を最適化することにより不妊症を回復しうることを明らかにした。そこで本研究では、様々な生理機能のタイミングを制御する体内時計中枢・視交叉上核について、加齢変容を生じる要因を特定し、環境変化との調和を図る生体時間秩序の維持に破綻をきたす生理基盤を明らかにすることを目的としている。 最終年度は、Period遺伝子欠損マウス7系統についてサーカディアンリズム解析を行い、生体レベルでのサーカディアンリズム表出(自由継続)及びノンパラメトリック同調、さらパラメトリック同調を評価した。これらの研究成果は、体内時計中枢・視交叉上核の加齢変容因子の絞り込みにつながり、神経間リズム同調因子の特定と共に階層的なサーカディアンリズム同調機構の根元的な理解に展開していくことが期待される。 さらに、3年間を通した研究実績として、三叉神経支配領域における痛みの日内変動、涙腺におけるサーカディアンリズム発振、下垂体におけるサーカディアンリズム発振と行動リズム表現型における時計遺伝子Cry1およびCry2のハプロ不全、視交叉上核外サーカディアン振動体の行動リズム制御機構について統合的に解明した。これらの研究成果をもとに、体内時計中枢である視交叉上核における加齢に伴うサーカディアンリズム機能減弱を解明し、生体レベルにおける加齢の最適化につなげてゆく。
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