2019 Fiscal Year Research-status Report
酸化ストレスと骨吸収に関連した新規オートファジー制御因子の機能解明
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19K10055
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
坂井 詠子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (10176612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
筑波 隆幸 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (30264055)
山口 優 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (50823308)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 破骨細胞 / 骨吸収 / リソソーム / タンパク分解 / カテプシンK / LAMP1 / カテプシンD |
Outline of Annual Research Achievements |
siRNA法を用いてRufy4発現を抑制した場合は、対照群に比べて骨吸収活性の抑制が認められたので、次にGFPタグを付した全長型Rufy4 遺伝子をRAWD細胞に導入し、全長型Rufy4 遺伝子を恒常的に発現する細胞株を得た。破骨細胞への分化と骨吸収を、対象のGFP遺伝子単独発現細胞と比較した。TRAP染色像では形成された破骨細胞の大きさや数は対象群と著しい差は認められなかった。しかし、Rufy4 遺伝子過剰発現細胞での、骨吸収活性が上昇していた。ウェスタンブロッティング法で、Rufy4 遺伝子過剰発現細胞内のタンパク発現を比較したところ、骨吸収に関与するプロテアーゼであるカテプシンKの発現の有意な上昇が確認された。一方、細胞内のタンパク分解に関与する細胞内小器官であるリソソームの膜に局在し、リソソームマーカータンパクとして知られている LAMP1と、リソソームプロテアーゼであるカテプシンDの発現は、Rufy4 遺伝子過剰発現細胞で顕著に抑制されていた。細胞内タンパク質分解系の働きを調べるために DQ-ovalbuminを用いて、経時的にオバルブミンの細胞内での分解を測定したところ、対照群のGFP発現細胞に比べて、Rufy4 遺伝子過剰発現細胞では分解の抑制が認められた。これらの結果は、Rufy4がカテプシンKの発現と細胞外輸送を促進し、骨吸収活性の上昇に関与することを示唆していると思われる。一方、細胞内のリソソーム形成は抑制的に働く可能性が示唆された。また、細胞の微細構造の観察を行うために、大気圧下液中での走査型顕微鏡を用いた破骨細胞の観察法を確立し、野生型細胞の微細構造を画像化できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Rufy4遺伝子恒常的発現細胞において、タンパク分解系に興味深い結果が得られたことから、おおむね順調に進展していると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
Rufy4のドメイン欠損変異体の発現と骨吸収への影響を観察する。 共焦点顕微鏡による細胞内のリソソームの数や形態の比較を行い、電子顕微鏡を用いて破骨細胞の波状縁形成を比較する。Rufy4遺伝子欠損マウスの作出を行い、硬組織への影響を観察する。
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