2021 Fiscal Year Research-status Report
The regulation of oral microbiota by IgA
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19K10068
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
孫 安生 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (30447924)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新藏 礼子 東京大学, 定量生命科学研究所, 教授 (50362471) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 口腔内細菌叢 / 腸内細菌叢 / 炎症性腸疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の研究計画では、マウス腸管由来モノクローナルIgA抗体が結合する口腔内細菌と結合しない口腔内細菌をELISA法を用いたスクリーニングにより分類する予定であったが、申請者の所属研究機関が初年度途中で変更となり、マウス腸管由来モノクローナルIgA抗体ライブラリーを使用できなくなったため、研究計画に修正を加えた。 変更後の所属研究機関では附属病院臨床科との共同研究により、臨床検体を用いた研究が可能となった。そこで、口腔内細菌叢と腸内細菌叢の関連性について炎症性腸疾患患者の臨床検体を用いることとした。炎症性腸疾患患者の便サンプルから口腔内細菌が確認されたという報告もあり、炎症性腸疾患患者の口腔内細菌叢について解析を行い、炎症性腸疾患発症との関連性について研究を行った。潰瘍性大腸炎(UC)術後回腸嚢炎患者について解析を行った。UC術後回腸嚢炎はUCの病態を反映しているという点と経時的なサンプリングが可能であるという点から、細菌叢の変化を調べるには適している。 2年目までに次世代シークエンサー解析により腸管に存在する口腔内細菌の探索を行った。その結果、Fusobacterium periodonticumやBifidobacterium dentiumなどの口腔内細菌の存在が確認された。さらに嫌気培養による菌の単離にも成功した。 これらの菌が腸管でどのような免疫応答を引き起こしているのかを調べるため、あらかじめ抗生剤で除菌した状態のマウスに単離した菌を経口投与し、腸管免疫細胞応答の解析を行った。腸管粘膜固有層での好中球、好塩基球などの自然免疫系細胞や腸管粘膜固有層および腸間膜リンパ節での制御性T細胞をはじめとする腸管T細胞の割合をフローサイトメーターで調べた。中でもFusobacterium属の単離菌をマウスに投与することにより、CD11b陽性細胞の増加が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度の途中で申請者の所属が変更となり、研究計画に修正を加えたため、進捗状況はやや遅れている。現在、患者由来の口腔内細菌叢が腸炎モデルマウスにおいて腸炎を発症するかを解析する準備をしており、補助事業期間延長申請を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画で使用予定だったマウス腸管由来モノクローナルIgA抗体が申請者の所属変更で使用できなくなったため、研究計画に変更を加えた。 腸管に存在する口腔内細菌の検索を行ったところ、これまでにいくつかの口腔内細菌が同定され、単離出来た。このことより、今後はこれらの口腔内細菌がどのような免疫応答を惹起しているのかをマウスを用いて調べていく予定である。具体的には、これらの菌をマウスに経口投与することにより、口腔内および腸管での免疫応答がどのようになるのかを解析する。
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Causes of Carryover |
初年度途中で申請者の所属機関が変更となったため、研究遂行に遅れが生じたから。 研究に必要な試薬等の購入に使用を計画している。
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