2022 Fiscal Year Research-status Report
Role of extracellular acidity on tumor heterogeneity
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19K10074
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Research Institution | Ohu University |
Principal Investigator |
加藤 靖正 奥羽大学, 歯学部, 教授 (50214408)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 豊信 奥羽大学, 歯学部, 教授 (10382756)
鈴木 厚子 奥羽大学, 歯学部, 講師 (90405986) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | AP-1 / SPARC |
Outline of Annual Research Achievements |
私達は、がん細胞が構築する酸性細胞外環境は、亢進した解糖系による糖代謝の結果としてのみならず、がん細胞自身を刺激するオートクライン/バラクラインで構築される微小環境因子という仮説の基に検討している。本課題では、この酸性微小環境ががんの不均一性をつくりだす環境因子であることを立証するものである。今年度は、細胞外マトリックスであるSPARC(オステオネクチン)が酸性pHシグナルへの関与において興味ある知見を得た。SPARCは骨髄間葉系細胞において、脂肪細胞への分化を抑制することによって、骨芽細胞分化へコミットさせた。この作用は、細胞外に放出されたSPARCのみで観察された。骨髄間質細胞をSPARCで刺激するとAP-1活性が低下したが、30%程度の活性は維持された。リコンビナントのSPARCとc-Fosが直接結合することが無細胞系で確認された。従ってSPARCはc-Fosのデコイカウンターパートとして機能していると考えられた。骨髄間質細胞では、SPARCは他のFOS関連因子であるFra-1やFra-2、ΔFosBには結合せず、これらがAP-1を構成する比率を維持させていたと考えられた。これらのことから、がん細胞が分泌するSPARCは骨髄間質細胞の脂肪細胞分化への抑制を介して造骨性骨転移に関与していることが示唆された。一方、SPARCを高発現しているB16-BL6メラノーマ細胞は、酸性pHによりMMP9が誘導されたが、その機構にはNF-kBの活性化が主体で、AP-1は関与しなかった。ホルボルエステルでAP-1を活性化させてもMMP9は誘導されなかった。他の研究結果では酸性pHによるAP-1の活性化も報告されていることから、SPARCは酸性環境下での転写制御に関与することが示唆され、がんの不均一性に寄与していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19感染拡大と2022年の春に起きた震度6弱の地震被害の影響
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Strategy for Future Research Activity |
脂肪細胞への分化制御とこれまでのメタボローム解析結果を精査し、がん細胞のエネルギー代謝の観点からがんの不均一性の理解を進める。
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Causes of Carryover |
2021年2月と2022年3月の2度にわたり震度6弱の地震に見舞われ、施設や機器の使用に支障があり、予定していた実験系を遂行できなかったので、論文化が予定より遅れた。残金の使用用途として、追加実験とオープンアクセス誌への投稿料に使用する。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] GPRC5B (G protein-coupled receptor class C group 5 member B) suppresses glucose starvation-induced apoptosis in head-and-neck squamous cell carcinoma2023
Author(s)
Kanamori K, Ozawa S, Iwabuchi H, Ikoma T, Suzuki K, Tanaka K, Yoshimura-Sawai N, Abe T, Kato Y, Hata R-I, Kobayashi M
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Journal Title
Biomedical Research
Volume: 44
Pages: 1~7
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Nucleic acid-triggered tumoral immunity propagates pH‐selective therapeutic antibodies through tumor‐driven epitope spreading2022
Author(s)
Furuya G, Katoh H, Atsumi S, Hashimoto I, Komura D, Hatanaka R, Senga S, Hayashi S, Akita S, Matsumura H, Miura A, Mita H, Nakakido M, Nagatoishi S, Sugiyama A, Suzuki R, Konishi H, Yamamoto A, Abe H, Hiraoka N, Aoki K, Kato Y, Seto Y, Yoshimura C, Miyadera K, Tsumoto K, Ushiku T, Ishikawa S
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Journal Title
Cancer Science
Volume: 114
Pages: 321~338
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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