2019 Fiscal Year Research-status Report
EBウイルス感染制御を基盤とした新規歯周病予防・治療戦略の確立
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19K10078
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
今井 健一 日本大学, 歯学部, 教授 (60381810)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | EBウイルス / 歯周病 / 根尖性歯周炎 / 炎症性サイトカイン / 唾液 / LMP1 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、歯の喪失理由として歯周疾患(歯周病と根尖性歯周炎)は最大の原因である。また近年、歯周病が誤嚥性肺炎や早産などの全身疾患の原因となることが明らかとなり、超高齢化社会を迎えるわが国において歯周病対策はより重要となる。しかし、両疾患の発症と進展には、細菌や宿主の免疫系が関与する事は解っているものの、未だその病因はよく解っていない。QLO維持のためにも両疾患の病因の解明と新規予防・治療法の開発は重要である。 近年、歯周疾患の発症にEBウイルス(EBV)が関与するとの興味深い臨床報告が多数なされている。われわれも本邦で初めて、EBV量と歯周病及び根尖性歯周炎の進行度が相関すること、病変部においてEBV RNAが検出されることを報告してきた。しかし、EBVが歯周疾患の発症にどのように関与しているのか?この問題に関しては世界的に見ても具体的な報告がない状況が続いている。 そこで本研究課題を立案し実験を進めた結果、本年度はEBVの膜蛋白であるLMP1がNF-kBを活性化することにより炎症性サイトカイン産生を強く誘導する事、また、根尖性歯周炎患者においてEBVの活性化度と病態、及び根尖性歯周炎に関係する細菌の量とが相関することを見出すことが出来た。さらに、動物実験を進め、ヒト化マウスの歯肉や歯根内にEBVを注入する技術を習得し実験を進めると共に、実際の歯周病患者の唾液を採取し、潜伏感染EBVが再活性化するか否かについて実験を行うための準備も進めることが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
EBVと歯周疾患(歯周病と根尖性歯周炎)の関連に関して研究課題が基礎から臨床的研究まで幅広く進んだ。特に、EBVのLMP1による炎症性サイトカイン産生誘導と根尖性歯周炎患者の臨床サンプルにおける病態とEBV検出の関連性に関しては論文としてまとめ発表することが出来た。さらに、動物実験とともに新たに歯周病患者の唾液を採取し実験を行う準備も進んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
EBVは約9割の人が感染しているにもかかわらず、なぜ歯周病と根尖性歯周炎患者ではEBVが患部から多く検出されるかが大きな謎である。そこで、歯周疾患患者においては、EBVが再活性化状態にあるためウイルスが大量に複製されていると考えた。そこで、実際の歯周病患者の唾液を採取し、潜伏感染EBVが再活性化するか否かについて分子生物学的および免疫組織学的手法を用いて解析する。具体的には、EBVの活性化状態の指標となるEBVの転写因子ZEBRAの発現をPCRとウェスタンブロットにて調べる。さらにルシフェラーゼアッセイにより、転写レベルでの影響を検討する。ヒト化マウスを用いた実動物実験においては、尾静脈からEBVを注入したマウスにおいて歯根や歯髄にEBVが検出されること、それと関連して破骨細胞が認められることを確認したので、より安定的に実験が行えるよう実験を進める。具体的には、NOGマウスに移植するヒト骨髄由来CD34陽性細胞数や移植時間を中心にさらなる条件検討を行うことにより、EBVの感染効率をあげる。さらに、ヒト化マウスの歯周組織の3次元CT解析や骨吸収評価の実験系を確立する。
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Causes of Carryover |
年度末に消耗品がキャンペーン価格で購入できたため僅かであるが残金が生じた。 計画に変更はないが、昨年度の残金と併せ潜伏感染EBVの再活性化機序と潜伏感染状態と臨床症状との関連を解明する研究と動物実験の遂行のために、遺伝子プライマー、関連抗体やルシフェラーゼアッセイに関するキット等を購入する。また、動物購入と組織切片の作製依頼、及び成果発表のための国内旅費、英文校正や論文投稿費として使用する。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Structural insights into the potential changes in receptor binding site found in the 1998-2018 influenza B/Yamagata hemagglutinin: A putative correlation between receptor binding site structural variability and seasonal infection.2020
Author(s)
1.Cueno ME, Iguchi K, , Suemitsu K, Hirano M, Hanzawa K, Isoda T, Ueno M, Iguchi R, Otani A, Imai K
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Journal Title
J. Mol. Graph. Model
Volume: in press
Pages: in press
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] EBV LMP1 in gingival epithelium potentially contributes to human chronic periodontitis via inducible IL8 production2019
Author(s)
Watanabe N, Nodomi K, Koike R, Kato A, Takeichi O, Kotani A, Kaneko T, Sakagami H, Takei M, Ogata Y, Sato S, Imai K
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Journal Title
In Vivo
Volume: 33
Pages: 1793-1800
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] The periodontopathic bacterium Fusobacterium nucleatum induced proinflammatory cytokine Ppoduction by human respiratory epithelial cell lines and in the lower respiratory organs in Mice.2019
Author(s)
Hayata M, Watanabe N, Tamura M, Kamio N, Tanaka H, Nodomi K, Miya C, Nakayama E, Ueda K, Ogata Y, Imai K
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Journal Title
Cell Physiol Biochem
Volume: 53
Pages: 49-61.
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Cynaropicrin from Cynara scolymus L. suppresses Porphyromonas gingivalis LPS-induced production of inflammatory cytokines in human gingival fibroblasts and RANKL-induced osteoclast differentiation in RAW264.7 cells.2019
Author(s)
Hayata M, Watanabe N, Kamio N, Tamura M, Nodomi K, Tanaka K, Iddamalgoda A, Tsuda H, Ogata Y, Sato S, Ueda K, Imai K
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Journal Title
J Nat Med
Volume: 73
Pages: 114-123
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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