2022 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the whole structure of type V pilus of a periodontal pathogen by using cryo-EM
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19K10083
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
柴田 敏史 鳥取大学, 医学部, 講師 (30725057)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄子 幹郎 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 准教授 (10336175)
松波 秀行 沖縄科学技術大学院大学, 生体分子電子顕微鏡解析ユニット, スタッフサイエンティスト (80444511)
Wolf Matthias 沖縄科学技術大学院大学, 生体分子電子顕微鏡解析ユニット, 教授 (90630947)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | V型線毛 / 歯周病 / クライオ電子顕微鏡 / バイオフィルム / Bacteroidota門 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周病は45歳以上の日本人の半数以上が罹患している慢性感染症であり、歯の喪失だけでなく糖尿病や動脈硬化症、心血管疾患、アルツハイマーなどの全身疾患とも関連する重要疾患である。歯周病の起因菌Porphyromonas gingivalis の感染、定着、病原性にはV型線毛が重要である。本研究はクライオ電子顕微鏡解析によって機能的な状態のV 型線毛構造を原子分解能で明らかにし、線毛形成機構や付着機構を解明することを目的とした。 本研究ではP. gingivalis の重合したFim線毛のストークピリンFimA構造を3.6オングストロームの分解能で明らかにした。これにより、FimAピリンはN端アンカーストランドに付随するループがRgpプロテアーゼによって切断されることを引き金に、C端ドナーストランドを腕を伸ばす様に構造から放出し、それが隣のピリンの露出した疎水領域に結合し重合することが示唆された。またV型線毛ピリンはプロテアーゼ切断後もアンカーストランドによって膜に保持されることがN端の架橋実験と免疫電顕により示唆された。加えてP. gingivalis のマイナー線毛Mfa線毛の構造解析も行った。 これらの結果よりV型線毛はプロテアーゼ依存性のストランド交換反応によって根元伸長する構築機構が明らかになった。さらに、線毛上の宿主分子や他の口腔細菌分子との結合領域の正しい位置と構造も明らかになった。これらV型線毛重合機構や線毛結合領域は歯周病治療や予防のための創薬標的として有用であり、同定した構造が創薬の鋳型として活用されることが期待できる。
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Research Products
(18 results)