2019 Fiscal Year Annual Research Report
骨芽細胞に発現する栄養センサーTas1Rファミリーが担う骨形成機構の解明
Project/Area Number |
19K10093
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
張 皿 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (00326472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古株 彰一郎 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (30448899)
松尾 拡 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (70238971)
森川 和政 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (70514686)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 骨芽細胞 / 味覚受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、骨粗しょう症に対する治療薬のほとんどは骨吸収抑制剤である。さらに代表的な骨吸収抑制剤であるビスホスホネートの使用により骨のマイクロダメージが引き起こされ、結果として骨折を引き起こすケースや、顎骨壊死の発症に関与することが明らかとなり、新たな骨形成促進薬の開発が急務である。Tas1r3は口腔粘膜の味蕾に発現し、甘味とうま味を受容するGタンパク共益型受容体として発見された。近年このTas1r3が口腔粘膜以外のさまざまな組織に発現し、栄養(糖質・アミノ酸)センサーとして機能していることが明らかになってきた。そこで本研究では骨組織に発現するTas1r3の役割を検討した。 Tas1r3 floxマウスの大腿骨と脛骨の骨髄から骨髄間質細胞(BMSCs)を採取した。Creリコンビナーゼはアデノウイルスを用いて導入した。マウス前骨芽細胞株MC3T3-E1細胞はsiRNAを用いて内在性のTas1r3をノックダウンした。骨芽細胞分化はBMP-4処理やアスコルビン酸およびβ-グリセロリン酸処理で誘導し、ALP活性およびアリザリンレッド染色で評価した。Tas1r3のmRNA量はリアルタイムPCR法で定量した。 BMSCsの骨芽細胞分化に伴いTas1r3のmRNA量が上昇した。CreリコンビナーゼによりTas1r3をノックアウトしたBMSCsではALP活性やアリザリンレッドの染色性が低下した。siRNAを導入してTas1r3をノックダウンしたMC3T3-E1細胞では細胞増殖能やBMP-4で誘導したALP活性が著明低下した。 骨芽細胞局所に発現している栄養センサーが骨形成に必須の役割を果たしている可能性が示唆された。今後、骨芽細胞特異的Tas1r1のノックアウトマウスを用いることで、甘味とうま味受容体の役割を区別していきたい。
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Research Products
(2 results)