2021 Fiscal Year Research-status Report
A study on application of atmospheric-pressure low-temperature plasma to dental whitening
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19K10113
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
金子 潤 明海大学, 保健医療学部, 教授 (40301890)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沖野 晃俊 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (60262276)
河野 舞 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 准教授 (90586926)
荒川 真 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 准教授 (60379881)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 歯のホワイトニング / 大気圧低温プラズマ / 漂白効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、大気圧低温プラズマの歯質着色除去および歯科漂白治療への応用の可能性を検討するために、漂白効果や歯質への影響に関するin vitroデータを収集することを目的とする。特に、プラズマ照射による漂白効果に関しては、原料ガス種やガス流量、水分供給量などのプラズマ生成条件を詳細に検討する。 本年度は、窒素プラズマのガス流量と水分供給量を変化させた場合のプラズマガス温度と漂白効果を測定することにより、応用可能なプラズマガスの生成条件を検討した。15mm×15mmの大きさに調製した写真用厚手印画紙を0.1wt%へマトポルフィリン溶液中に5分間浸漬してへマトポルフィリン染色紙試料を作製した。ダメージフリーマルチガスプラズマジェットPCT-DFMJ02(プラズマコンセプト東京)を用い、ガス流量が2.0, 3.0, 5.0, 8.0 SLPM、水分供給量が0.05, 0.1 mL/minの各条件下で、試料表面から5mm離間した位置から1分間プラズマ照射した。 へマトポルフィリン染色紙の照射前後の色差(ΔE)と白色度差(ΔW)が最も大きな値を示したのは、ガス流量3.0 SLPM、水分供給量0.05 mL/minの条件でΔE=36.70、ΔW=26.38で、次いでガス流量2.0 SLPM、水分供給量0.05 mL/minの条件でΔE=36.16、ΔW=25.61であった。また、各条件下のプラズマガス温度は28~41℃の範囲内となり、漂白効果が最も高かったガス流量3.0 SLPM、水分供給量0.05 mL/minの条件では36℃、ガス流量2.0 SLPM、水分供給量0.05 mL/minの条件では41℃を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2021年度もコロナ禍の影響を大きく受けて、共同研究機関との研究打合せや試料運搬などが行えず、予定していた実験がほとんど実施できなかった。プラズマガスの温度条件と漂白効果に関する実験を1回のみ実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、ガス流量や水分供給量などのプラズマ生成条件について、2020~2021年度の実験結果をもとに、仮想エナメル質として褐色鶏卵卵殻を用いて、歯科漂白治療に適したプラズマ生成条件についてさらに詳細に検討する。また、プラズマによる照射面の温度上昇についても引き続き計測し、歯や歯髄への影響について検討する。
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Causes of Carryover |
2021度もコロナ禍で予定していた実験が計画通りに進まず次年度に持ち越しとなったため、試料作製等にかかる予定していた支出が少なかった。また、研究費用のうち一部を学内個人研究費で支出することができた。繰り越し分を次年度(延長年度)の実験費用に充当する計画である。
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