2019 Fiscal Year Research-status Report
Basic study on the development of host-directed miRNA therapy as a novel treatment for periodontal disease
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19K10116
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
齋藤 淳 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (60266559)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今村 健太郎 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (60755007)
国分 栄仁 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (70453785)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 歯周炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周病は多因子性疾患であるが、細菌-宿主間の相互作用に関する検討は不足している。この点に関する知見を得ることを目指し,2019年度は,まず,主要な歯周病原細菌であるTreponema denticolaにフォーカスし,この菌が宿主に定着する際に重要である環境ストレス応答について検討した。 T. denticola表層には,DentilisinやMspなどの病原因子が存在する。それぞれの欠損株を用いて,DNA マイクロアレイ解析を行った。Dentilisin欠損株では,特定のDNA binding proteinの発現上昇が認められた。このDNA binding protein がT. denticola においてどのような機能を果たしてしているかについて解明するために,T. denticola ATCC 35405株(野生株)を供試し,エリスロマイシン耐性遺伝子を用い, 相同組み換えによりDNA binding proteinの遺伝子欠損株を作出した。細菌の増殖曲線は,TYGVS培地を用いて培養開始から静止期までの,OD660を測定することによって評価した。Dentilisin活性は発色基質(SAAPNA)を用いて,OD410の吸光度により測定した。環境ストレスへの応答については,酸素曝露による生菌数の変化について,ATP量によって解析した。DNA binding protein遺伝子の欠損株は,増殖速度においてほとんど影響はみられなかったが,静止期の菌数に増加が認められた。Dentilisin活性は,欠損株において低下が認められた。酸素曝露後の生菌数を測定したところ,欠損株で有意な低下が認められた。これらの結果から,DNA binding proteinは,酸素ストレスに対する応答に関わるとともに,Dentilisinの発現制御に関わっていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
まずは特定の細菌に絞って検討を開始しているが,遺伝子操作が困難な細菌のため,欠損株の作出に非常に多くの時間を費やした。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは,T. denticolaのストレス応答機構の解析を進め,宿主との相互作用について検討をォこなす。
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Causes of Carryover |
若干の進捗の遅れにより,予算より物品費の支出が少なくなった。次年度,消耗品の購入等に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)