2019 Fiscal Year Research-status Report
継代培養による歯根膜細胞複製劣化に対するスフェロイド培養の応用と分子基盤の解明
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19K10133
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
臼井 通彦 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (10453630)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | スフェロイド / 歯根膜細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
組織再生に必要な間葉系幹細胞を獲得するために、単層培養(二次元培養)によって、細胞数を増加させる必要があるが、継代数を重ねるに伴い、増殖能、幹細胞性や多分化能が喪失されることが報告されている。スフェロイドは細胞塊のことで、細胞を三次元の状態で培養することができる。スフェロイドの状態で培養することにより、間葉系幹細胞の生理機能が向上することが知られている。本研究の目的は、スフェロイド培養を用いて、継代数の増加により生理機能の衰えた歯根膜幹細胞を回復することができるか否かを検証することを目的に以下の研究を行った。 歯根膜幹細胞を3日間単層培養した群と3日間スフェロイド培養した群からRNAを抽出した。そのRNAを用いて、次世代シークエンサーであるIllumina HiSeqシステムを使用してRNA-seqを実施し、Differentially expressed genes(DEGs)について解析した。その結果、PECAM1、CXCR4、PF4V1、NR4A2、ICAM1をはじめとしたいくつかの遺伝子がスフェロイド培養群で発現上昇していることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、スフェロイド培養・単層培養歯根膜細胞の増殖能・分化能の比較を行い、その違いについて検討する予定であったが、最初に次世代シークエンサーによるトランスクリトーム解析を行ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
トランスクリプトーム解析により同定したDEGを対象に、機能解析としてGO(Gene Ontology)term 解析や、近似した発現パターンを認める遺伝子クラスターを含んだネットワーク解析を実施する。DEGと関連する代謝経路を解明するため、パスウェイ解析を行い、ウェスタンブロッティングなどの手法で他の因子との関連性を検証する。
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Causes of Carryover |
受理された論文投稿代が6月発行ということで、計上できなかったため。2020年6月に支払う予定である。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Co-cultured spheroids of human periodontal ligament mesenchymal stem cells and vascular endothelial cells enhance periodontal tissue regeneration.2020
Author(s)
Sano K, Usui M, Moritani Y, Nakazawa K, Hanatani T, Kondo H, Nakatomi M, Onizuka S, Iwata T, Sato T, Togari A, Ariyoshi W, Nishihara T, Nakashima K.
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Journal Title
Regenerative Therapy
Volume: 14
Pages: 59-71
DOI
Peer Reviewed / Open Access