2020 Fiscal Year Research-status Report
継代培養による歯根膜細胞複製劣化に対するスフェロイド培養の応用と分子基盤の解明
Project/Area Number |
19K10133
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
臼井 通彦 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (10453630)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | スフェロイド / 歯根膜細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
組織再生に必要な間葉系幹細胞を獲得するために、単層培養(二次元培養)によって、細胞数を増加させる必要があるが、継代数を重ねるに伴い、増殖能、幹細胞性や多分化能が喪失されることが報告されている。スフェロイドは細胞塊のことで、細胞を三次元の状態で培養することができる。スフェロイドの状態で培養することにより、間葉系幹細胞の生理機能が向上することが知られている。本研究の目的は、スフェロイド培養を用いて、継代数の増加により生理機能の衰えた歯根膜幹細胞を回復することができるか否かを検証することを目的に以下の研究を行った。歯根膜幹細胞を3日間単層培養した群と3日間スフェロイド培養した群からRNAを抽出した。そのRNAを用いて、次世代シークエンサーであるIllumina HiSeqシステムを使用してRNA-seqを実施し、Differentially expressed genes(DEGs)について解析した。歯根膜細胞スフェロイドに強く発現していた転写因子であるNR4A2に着目して、機能解析を行った。歯根膜細胞スフェロイドに発現しているNR4A2をsiRNAによってノックダウンすると、幹細胞マーカーであるNanogやOct4の発現が減少した。一方で、骨分化条件で培養するとCol1, OPN, ALPなどの骨形成関連遺伝子の発現やALP活性が上昇することが明らかになった。さらに、骨分化誘導条件下で、12日間培養すると、コントロール群に比較して、有意に大きな石灰化結節を形成した。以上の結果より、NR4A2は歯根膜細胞スフェロイドにおいて骨分化を負に制御していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
次世代シークエンサーによるトランスクリトーム解析を行い、そこで見出されたNR4A2の機能解析を行うことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
トランスクリプトーム解析により同定したPECAM1、CXCR4、PF4V1といった他の遺伝子についでも機能解析、並びにネットワーク解析を行う。また、これら遺伝子の細胞老化に対する影響・役割を明らかにしていく。
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Causes of Carryover |
研究成果発表、並びに資料収集のために学会参加の旅費を計上していたが、Web開催となったため。投稿論文を増やし、論文投稿代とする。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Hematogenous apoptotic mechanism in salivary glands in chronic periodontitis.2020
Author(s)
Shikayama T, Fujita-Yoshigaki J, Sago-Ito M, Nakamura-Kiyama M, Naniwa M, Hitomi S, Ujihara I, Kataoka S, Yada N, Ariyoshi W, Usui M, Nakashima K, Ono K.
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Journal Title
DOI
Peer Reviewed
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