2021 Fiscal Year Annual Research Report
A new development of an interface-reinforcing poly acid-RMGI adhesive system for secure bonding to finishing-irradiated dentin by Er:YAG laser
Project/Area Number |
19K10139
|
Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
冨士谷 盛興 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (60190055)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
掘江 卓 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (50579993)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | Er:YAGレーザー / 象牙質 / ボンディング材 / レジン添加型グラスアイオノマーセメント / レジン / 接着強さ / 鉄イオン / 親水性プライマー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,Er:YAGレーザー照射により生成した変性層を介して接合しているコンポジットレジンと正常象牙質間の物理的・機械的諸性質を移行的に近似させることによりレジンの接着性向上を図ることを目的としている。 本年度は,低出力照射で生成した変性層を残置した場合と変性層を一層蒸散させさらなる接着性向上を期待したフィニッシング照射(低出力照射後,中出力仕上げ照射)の二種の照射条件下のレジンの初期接着性ならびに接着耐久性を検討した。10%クエン酸+2%塩化第2鉄水溶液による酸コンディショニングおよび4-METおよびHEMAを主成分とする親水性モノマーによるプライミング後,RMGIによるレジンの接着性を比較検討した。 対照の非照射象牙質,低出力照射象牙質およびフィニッシング照射象牙質におけるレジンの初期接着強さは,それぞれ26 MPa,27 MPaおよび27 MPaであり差異はなかった。初期の破壊形態はほとんどすべての試片においてRMGI内凝集破壊を示し約70%の試片が象牙質内凝集破壊を伴う混合破壊であり,いずれも変性層と正常象牙質との境界付近における破壊であった。温度負荷後の接着強さは,それぞれ32 MPa,22 MPaおよび23 MPaであり有意な差異は認められず,界面破壊を示す試片が増加していた。本実験の条件下では,残置した変性層の量はレジンの接着性に影響を及ぼさないことが判明した。 この3ステップ・RMGI系接着システムは,鉄イオンを用いた歯面処理(10%クエン酸+2%塩化第2鉄水溶液(10-2溶液)による酸コンディショニング),ならびに変性層強化のためのプライミング(4-METおよびHEMAによる親水性プライマー処理)の併用が,当該接着界面の構造において,正常象牙質とコンポジットレジン間の物理的・機械的諸性質を移行的に近似させることによりレジンの接着性向上に寄与したと考える。
|