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2020 Fiscal Year Research-status Report

Effect of new antimicrobial photodynamic therapy system on biofilm inhibition

Research Project

Project/Area Number 19K10140
Research InstitutionAichi Gakuin University

Principal Investigator

林 潤一郎  愛知学院大学, 歯学部, 准教授 (30350937)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 福田 光男  愛知学院大学, 歯学部, 教授 (40156790)
長谷川 義明  愛知学院大学, 歯学部, 教授 (70460524)
Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
Keywords抗菌光線力学療法 / バイオフィルム / インドシアニングリーン / 歯周病原細菌
Outline of Annual Research Achievements

申請者らの研究室で独自に開発したインドシアニングリーンを封入したナノ粒子(ICG-Nano/c)と半導体レーザー(波長810nm)を使用したaPDTシステムは、歯周病原細菌であるPorphyromonas gingivalisの浮遊細菌を99.9%以上の割合で殺菌することが示されている。本研究課題では、このaPDTシステムがバイオフィルムを形成した歯周病原細菌に対して有効な殺菌効果を示すかを確認する。
血液寒天培地上に形成したP. gingivalis 33277株のバイオフィルムに対しては、0.7 Wの直接照射で約70%の殺菌効果を示しており、また、歯肉モデルを隔てた2.0Wの外部照射においても同等の効果を示した。
通性嫌気性のグラム陽性細菌であるStreptococcus gordonii DL1株については、浮遊細菌に対する殺菌効果を調べた。37℃好気環境にて12時間培養し、それをOD600が0.1になるように調整した。その100μlとICG-Nano/c溶液100μlを混合し、出力0.7W、Duty Cycle 50%、照射距離1cm、照射時間60秒でレーザー照射を行った。その結果、浮遊細菌に対する殺菌効果は約90%にとどまり、P. gingivalisに対する結果よりも低い効果となった。別の研究でおこなったenterococcus faecalisに対する殺菌効果確認の研究でも、P. gingivalisの場合よりも低い効果となったことも考慮すると、通性嫌気性グラム陽性菌は、P.gingivalisの場合よりもaPDTに対する抵抗性が強いと思われる。その理由としては、通性嫌気性グラム陽性菌は、偏性嫌気性グラム陰性菌よりも酸化ストレス機構の働きが強いため、活性酸素の作用で殺菌するaPDTにも抵抗性を示す可能性が考えられる。その詳細なメカニズムは今後の課題となる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

昨年度は、新型コロナウィルス感染症が全国的に流行し、その感染拡大防止対策の一環として、在宅勤務が長期間に渡り求められた。その間、出勤時は、歯学部の臨床系講座においては、患者の治療に当たる臨床業務が中心となり、研究業務に当てられる時間が多くとれないという制約があった。また、教育業務においても、遠隔授業への対応が求められ、多くのエフォートを割り当てる必要に迫られた。そのため、研究業務に従事する時間が少なくなり、研究の進捗が大きく遅れることとなった。

Strategy for Future Research Activity

S.gordoniiについては、好気条件で生育したものが、P.gingivalisよりも低い殺菌効果を示したことから、好気と嫌気それぞれの培養条件で生育した菌に対し、aPDTの殺菌効果が異なるのかどうかを確認する。それで差が出た場合、S.gordoniiの持つ抗酸化ストレスに関与する遺伝子をノックアウトし、aPDTの殺菌効果に変化が出るかどうかを確認する。また、P.gingvalisと同様にバイオフィルム状態での殺菌効果を確認する。
また、それぞれのバイオフォルムについては、走査型電子顕微鏡での表面性状の形態確認、生菌 /死菌比率の測定、共焦点型レーザー蛍光顕微鏡による厚み計測などの性状分をおこなう予定である。
単独のバイオフィルムでの解析が終了した後、P.gingivalisとS.gordoniiを共培養させたバイオフィルムを作製し、直接照射および歯肉モデルを介在させての外部照射でのaPDTの殺菌効果を確認する。
さらに、バイオフィルム関連遺伝子発現に対するaPDTの影響を確認する。解析の対象とする遺伝子は、gtfB (EPSの不溶性グルカン産生に関連)、luxS (細胞間情報伝達に関連)gloEL、dnaK(ストレス応答タンパク)などを計画している。

Causes of Carryover

新型コロナウィルスの影響で、研究の進捗がおくれたため、物品費の使用が大きく減少した。また、学会発表がなく、出張もなかったため、旅費の使用もなかった。
今後の使用計画としては、細菌培養関連の消耗品で30万円、ナノ粒子作製関連の消耗品で20万円、レーザー顕微鏡関連消耗品で10万円、遺伝子発現解析関連消耗品で40万円、その他消耗品で、旅費で10万円、論文出版にかかる費用等40万円で約150万円の使用を予定している。備品の購入予定はない。

  • Research Products

    (1 results)

All 2020

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] インドシアニングリーン封入ナノ粒子と半導体レーザーを用いた抗菌光線力学療法のEnterococcus feacalisバイオフィルムへの殺菌効果(第2報)2020

    • Author(s)
      樋口直也、佐々木康行、藤田将典、林潤一郎、三谷章雄、福田光男、中田和彦
    • Organizer
      第153回日本歯科保存学会2020年度秋季学術大会

URL: 

Published: 2021-12-27  

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