2020 Fiscal Year Research-status Report
快音歯科ドリルの設計に向けた流体音響工学アプローチ
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19K10148
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山田 朋美 大阪大学, 歯学研究科, 助教 (70452448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野崎 一徳 大阪大学, 歯学部附属病院, 准教授 (40379110)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 歯科 / ドリル / 数値計算 / 流体 / 音 / タービン |
Outline of Annual Research Achievements |
歯科治療において歯を削る歯科ドリル音は不快感や恐怖心を与えるものであり、その対策は患者が快適に治療を受けるための重要な課題である。本研究においては、歯科騒音対策として、流体音響工学(流体力学と音響工学の融合)という新たな分野を組み込み、数値流体音響シミュレーションによる発音現象をとらえようとするものである。さらに、音響物理評価や心理評価と組み合わせることで、歯科ドリルの不快音の発生メカニズムを明らかにすることを目的とする。得られる成果により不快音の発生を抑えた画期的な歯科ドリルの設計につながり、歯科受診者の心理ストレスの軽減に役立てることができる。
初年度において、歯科ドリル音に対する主観的心理評価を行い、さらに、スーパーコンピュータを用いた計算を進めるための前準備として、既成の歯科ドリルのCADデータを基に、インペラ(回転領域)とボリュート(静止領域)の計算格子(メッシュ)の作成を進めた。令和2年度においては、歯科ドリル音に対する主観的心理評価と音響物理量との関係について明らかとして、得られた成果を国際的な雑誌において論文発表した。また、1分間に40,000万回転という高速回転する歯科ドリルの発生音の流体音響シミュレーションをスーパーコンピューターにて計算した。さらにシミュレーション結果の精度を検証するために、歯科診療室において実際に測定して得た音響データと比較した。これら得られた成果を国内学会において発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた流体音響シミュレーションを実施し、実測実験を実施できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、シミュレーションの精度を上げ、歯科ドリルの発音現象の要因を明らかにする。さらに発生音による心理へ与える影響についての検討を加える。最終的に不快音を軽減したドリル設計への低減を目標とする。
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Causes of Carryover |
COVID19により対面での情報交換が困難となり、学会発表がweb開催となるなど旅費の計上が0円となった。次年度において研究計測や解析のために用いる予定である。
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Research Products
(4 results)