2019 Fiscal Year Research-status Report
炎症誘導性膵β細胞Xaf1の役割解明~歯周病―膵β細胞機能の連関
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19K10152
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岩下 未咲 九州大学, 歯学研究院, 助教 (80611326)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 知一郎 広島大学, 医系科学研究科(医), 教授 (70242063)
西村 英紀 九州大学, 歯学研究院, 教授 (80208222)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | Xaf1 / マクロファージ / インターフェロンβ |
Outline of Annual Research Achievements |
2型糖尿病の発症・進展には膵β細胞の機能障害が重要な因子であることが明らかになっている。膵β細胞機能障害に対する治療戦略として、膵β細胞のインスリン分泌能増大および膵β細胞量増大の両面へのアプローチが有用である。 先行研究において、活性化マクロファージ由来インターフェロンβ(IFNβ)が膵β細胞におけるX-linked inhibitor of apoptosis (XIAP) associated factor 1(Xaf1)の発現亢進を介して膵β細胞のアポトーシスを誘導することを見出した。 本研究では、膵β細胞Xaf1が糖尿病発症に及ぼす影響を検証する。 パルミチン酸で刺激したRAW264.7マクロファージ細胞株では、IFNβ遺伝子発現が有意に亢進した。野生型マウスから単離した膵島をIFNβで刺激すると、Xaf1発現が増大した。高脂肪食を8週間負荷したマウスでは、通常食負荷に比べ、膵臓組織におけるXaf1タンパク質発現の増大をみとめた。以上から、肥満によりXaf1発現が誘導される可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験に使用予定のマウスの作製に時間を要していることから、計画より遅れている。現在は細胞および、購入可能なマウスを用いた検証を実施している。
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Strategy for Future Research Activity |
使用予定のマウスの作製が大幅に遅れる場合、その間はvitroでの実験を中心に膵β細胞Xaf1が糖尿病発症に及ぼす影響を検証する。 【マウスプライマリ膵β細胞における検証】 野生型および、遺伝的肥満糖尿病モデルdb/dbマウス、高脂肪食誘導肥満マウスの膵臓から膵島を摘出、膵β細胞を単離し、IFNβ刺激時のXaf1発現についてウェスタンブロットにて解析する。次に各マウスの膵β細胞においてsiRNAによりXaf1をノックダウンした場合のグルコース応答性のインスリン分泌(インスリン分泌量、インスリン含量、インスリン分泌率)および、グルコーストランスポーター(GLUT)2 やグルコキナーゼなどグルコースの取込みや利用に関わる遺伝子群、膵β細胞マーカー遺伝子MafA、Pdx1のmRNA発現について解析する。
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Causes of Carryover |
マウスを用いた実験の実施が遅れているため、次年度使用額が生じた。 今年度のin vitroおよびin vivoでの検証から、肥満によるXaf1発現誘導が示されたため、今後マウスにおいて高脂肪食を負荷し検証する。次年度以降は、下記計画に沿って遂行する。 ①マウスプライマリ膵β細胞における検証:野生型、遺伝的肥満糖尿病モデルdb/dbマウス、高脂肪食誘導肥満マウスの膵臓から単離した膵島を用いてXaf1発現とインスリン分泌能について比較検証する。さらに、グルコースの取込みや利用に関わる遺伝子群、膵β細胞マーカー遺伝子の発現との関連について解析する。②膵β細胞特異的Xaf1欠損マウス(Xaf1 KO)を用いた検証:Xaf1 KOマウスおよび、野生型マウスに高脂肪食を負荷し、インスリン感受性および耐糖能、インスリン抵抗性、膵島構成細胞、膵β細胞機能に及ぼす影響について比較検証する。
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Research Products
(1 results)