2021 Fiscal Year Annual Research Report
バイオミメティクスを応用した次世代型フロアブルコンポジットレジンの開発
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19K10159
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| Research Institution | Nihon University |
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Principal Investigator |
黒川 弘康 日本大学, 歯学部, 准教授 (10291709)
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2019-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | バイオミメティクス / 構造色 / フロアブルコンポジットレジン |
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| Outline of Annual Research Achievements |
構造発色が可能なフロアブルレジンを，色調の異なるレジン歯に形成した窩洞に填塞した際の，レジン充填部と窩洞周囲のレジン歯との色調適合性について評価した。
構造色を有するフロアブルレジンとして，フィラー含有量71 wt%のオムニクロマフロー（OCF，トクヤマデンタル）を，対照としてエステライトユニバーサルフロー,（ELU，トクヤマデンタル）およびフィルテックシュープリームウルトラフロー（FSU，3M ESPE）を用いた。シェードA1，A2，A3およびA4の人工歯（ゼンオパール，ジーシー）の唇側面中央付近に，直径4 mm，深さ1.5 mmあるいは3 mmの規格円形窩洞を形成し，各レジンペーストを填塞，30秒間照射した。なお，人工歯のシェードと填塞するレジンペーストのシェードの組み合わせは，OCFは，いずれのシェードの人工歯に対してもユニバーサルシェードを，ELUおよびFSUでは，各人工歯と同じシェードとした。これらの試片を37℃の水中に24時間保管した後，色差計（クリスタルアイ，オリンパス）を用いて，レジン充填部と窩洞周囲の人工歯とのΔE＊abを算出した。
その結果，OCFを填塞した際のΔE＊ab値は，いずれのシェードの人工歯においても，窩洞の深さにかかわらず，人工歯と同じシェードを填塞したELUおよびFSUと同程度の値を示した。OCFは，背景色が黒の場合は入射した光が吸収され，構造色の発現が顕著となる。背景色が白の場合は，背景色による光の反射とフィラーの微細構造に基づく光の反射の重ね合わせにより明るさが増加することで，異なるシェードの人工歯においても良好な色調適合性が得られたものと考えられた。以上のことから，OCFは，その特性から広範な色調適合性を有することで，簡便かつ審美的な修復処置を行うことが可能であることが示された。
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