2021 Fiscal Year Annual Research Report
Clarification of the mechanism for orofacial pain contributes to the development of new treatment
Project/Area Number |
19K10160
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
清水 康平 日本大学, 歯学部, 准教授 (10508609)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 異所性疼痛 / 関連痛 / 歯痛錯誤 / 歯髄炎 / 口腔顔面痛 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究で, 三叉神経の損傷や口腔顔面領域の炎症に起因する慢性痛は, 口腔顔面領域の感覚のみならず, 咀嚼や嚥下などの様々な運動にも影響し, 機能障害を引き起こすといわれている。また,歯髄に炎症が起こると, 歯髄だけでなく口腔顔面の広い領域に異所性疼痛が引き起こされることが知られている。歯科臨床において, 口腔顔面に発症した異所性疼痛は誤診や誤治療など様々な問題を引きおこす要因となる。しかし,歯髄炎に起因する口腔顔面領域の異所性疼痛の発症メカニズムに関しては不明な点が多い。また,三叉神経節において, 歯髄炎に起因して三叉神経節に集積するマクロファージと三叉神経節ニューロン間の相互作用がいかなるメカニズムで疼痛発症に関与するかは明らかにされていない。そこで, 本研究では, 三叉神経節に存在する非神経細胞の一つであるマクロファージに焦点を当て, 歯髄炎に起因する口腔顔面領域の異所性疼痛発症機構の解明を試みた。本研究の結果から,左側下顎の第一臼歯(M1)歯髄炎により, 三叉神経節第三枝領域におけるマクロファージの集積およびマクロファージにおけるinterleukin-1β (IL-1β) の産生亢進, 三叉神経節ニューロンでの heat shock protein 70 (Hsp70)-toll like receptor 4 (TLR4) シグナル増強によるinterleukin-1 receptor type I (IL-1RI)の増加, およびp38の活性化を介した IL-1β シグナル増強による舌を支配するTransient receptor potential Vanilloid 1 (TRPV1) 陽性三叉神経節ニューロンの増加により, 舌痛覚過敏が誘導されることが明らかになった。
|