2020 Fiscal Year Research-status Report
羊膜由来間葉系幹細胞オルガノイドを利用した口蓋裂治療法の検討
Project/Area Number |
19K10163
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
倉林 くみ子 東京大学, 医学部附属病院, 病院診療医 (40586757)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 羊膜幹細胞 / オルガノイド / 胚葉 |
Outline of Annual Research Achievements |
口唇口蓋裂患者の一貫治療は、施設によって若干の相違はあるものの、概ね手術と言語訓練を中心とした治療ガイドラインが確立している。特に口蓋裂単独症例に対しては、口蓋形成術施行する医療機関が多く、概ね良好な効果が得られている。しかしその一方で、術後の瘢痕収縮などから惹起される上顎劣成長などの長期的な種々の問題が多いのが現状である。手術療法の限界を超えるべく、次世代の口蓋裂治療方法の開発は喫緊の課題である。 近年、オルガノイドを始めとするin vitro3次元培養技術が進歩し、より自然な生理条件に近い組織再生を可能とする三次元モデル構築への道が開いてきている。 本研究では、羊膜由来上皮幹細胞をソースとして歯科印象採得にて作成したモールドを元にin vitro にて上皮-間葉相互作用を利用した三次元的オルガノイドを作製し、充填・閉創することにより、より生理的組織に近い口蓋形成を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平面培養にて細胞増殖後、三次元培養プレートにて培養にてハンギングドロップ法を用いてスフェロイド様のAMSC凝集体を多数作製する予定であったが、上皮間葉系組織の立体構造を目指しているため、スフェロイドではなく、マトリゲル包埋による三次元培養とした。細胞をマトリゲルにて包埋し、外胚葉、中胚葉、内胚葉への分化添加因子を添加し、オルガノイドを作成し、in vitroで 添加因子の濃度、部位によりどのような立体構造nなるのかを検証した。こAMSCの至適細胞濃度、スフェロイド培養期間、サイトカイン投与のタイミングや組み合わせ、至適サイトカイン濃度、を検証した。
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Strategy for Future Research Activity |
単胚葉から構成されたオルガノイドを作成する方法はこれまでにも、多く研究されてきているが、3胚葉に由来した細胞が複雑に適切な配置で組み合わさった立体構造オルガノイドの作成例はほとんどない。間葉系幹細胞からの上皮組織単独のオルガノイドは比較的容易に作成可能だが、添加因子の濃度勾配や配置などさらに検証し、移植の検討をする必要がある。
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Causes of Carryover |
口腔粘膜上皮オルガノイドなどの単胚葉オルガノイドの作成と比較して上皮間葉系組織の再現は添加成長因子の濃度勾配や配置の十分な検証が必要であり、動物モデル実験まで到達していないため。次年度はオルガノイドの三次元的構築を実現化し、動物モデルに移植し検証予定。
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