2021 Fiscal Year Research-status Report
羊膜由来間葉系幹細胞オルガノイドを利用した口蓋裂治療法の検討
Project/Area Number |
19K10163
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
倉林 くみ子 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (40586757)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 再生医療 / 羊膜幹細胞 / オルガノイド / 口唇口蓋裂 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、口唇口蓋裂患者の治療方針は、施設によって若干の相違はあるものの、概ね手術と言語訓練を中心としたガイドラインが確立している。特に口蓋裂単独症例に対しては、口蓋形成術を実施する医療機関が多く、概ね良好な効果が得られている。 しかしその一方で、術後の瘢痕収縮などから惹起される上顎劣成長などの長期的な種々の問題が多いのが現状である。手術療法の限界を超えるべく、次世代の口蓋裂治療方法の開発は喫緊の課題である。 そこで、近年研究が進められているオルガノイドなどの3次元組織培養に着眼した。これにより、より自然な生体条件に近い組織再生モデルの構築が可能になると考えた。 本研究では、羊膜由来上皮幹細胞をソースとして歯科印象採得にて作成したモールドを元にin vitro にて上皮-間葉相互作用を利用した三次元的オルガノイドを作製し、充填・閉創することにより、より生理的組織に近い口蓋形成を目指した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
AMSCを入手するにあたり、東京大学での倫理員会申請が必要であったため、最初の1年間は違う研究機関に所属しており、倫理申請、実験開始が遅れたため。
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Strategy for Future Research Activity |
生後7日齢雄性SD系ラットを用い、第一臼歯部の口蓋部粘膜を剥離し、直径1mmの半球状にラウンドバーにて口蓋骨を削除し、口蓋裂に見立てた口蓋骨欠損モデルを確立する。前項にて作成した三次元オルガノイドを口蓋裂隙に挿入し、口蓋粘膜閉鎖術施行する。創閉鎖時、創閉鎖後1週間、1か月で、創部の形態計測、吸啜圧の測定もおこなう。また、ASMCの局在、炎症性細胞および線維芽細胞の浸潤を組織学的、免疫組織学的に評価する。また、リアルタイムRT-PCR、western blottingにてIL1b, IL2, IL6, IL8, TNFa, MMP2, MMP8, MMP9、また肉芽形成・収縮の指標であるCOL1a1, TGFb, SMAを測定し、生化学的評価をおこなう。
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Causes of Carryover |
羊膜入手のための倫理申請が必要になり、全体的に実験開始が遅れたため。
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