2020 Fiscal Year Research-status Report
Develop the new drugs for peri-implantitis prevention by drug repositioning methods
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19K10173
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
佐々木 穂高 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (50433959)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 友基 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (10755044)
守 源太郎 東京歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (30733745)
国分 栄仁 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (70453785)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | インプラント / インプラント周囲炎 / ドラッグポジショニング / ハイスループットドラッグスクリーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
超高齢社会をむかえた我が国では、歯科インプラント治療が普及されてきた一方で、在宅患者におけるインプラント周囲炎の増加が危惧され、対応策を確立する必要性が生じている。我々は、感染の起点となるインプラント周囲軟組織で特異的発現変化する遺伝子のデータベースを構築し、同部で生体防御機構の関連遺伝子群が減少していることに注目し、この遺伝子発現を増加させることが、インプラント周囲炎の予防に繋がると考えた。そこで、既存薬から新規薬効を検索する“ドラッグリポジショニング”法を用いて、目的遺伝子の発現上昇を促す薬物を同定する方法を着想した。本研究では、1)既存薬ライブラリーから、特定遺伝子の発現増加を促す薬物同定、2)インプラント周囲炎モデルラットを用いた薬物効果を評価することで、在宅患者への早期の臨床応用を可能とし、生体側からの防御機構向上をはかったインプラント周囲炎の予防薬を開発することを目的とする。 本研究は、インプラント周囲軟組織に特異的に発現減少をした遺伝子を増加させる薬剤を明らかにするために、複数の既知薬剤を含むドラッグライブラリーから目的とする薬物を同定することが出来るハイスループットドラッグスクリーニング(HTS)法を用いる。まずは、ラット口腔粘膜由来の線維芽細胞に対して効果がある薬剤をHTS法を同定する。その次に、インプラント周囲炎モデル動物に対して、同定した薬剤を予防と投与し、その効果を組織形態学的、分子生物学、細菌学的に評価を行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度にハイスループットドラッグスクリーニング(HTS)法から目的遺伝子の発現増加をする薬物同定を行ない、それらの遺伝子発現変動の効果を検証した。HTS法を施行するためのドラッグライブラリ(LOPAC1280 )を購入し、ラット口蓋由来線維芽細胞を用いて、HTS法での評価を行なった。標的遺伝子によるタンパク発現を評価するための免疫染色法での過発色難と薬物投与による細胞死による発現低下が生じ正確な解析が行えなかったため、検証する回数が予定よりも多く必要となってしまった。現在、複数個の同定した薬剤を使用して、遺伝子発現の制御への効果ならびに至適濃度を検証している。 また、COVID-19 に蔓延に伴う社会的情勢から、緊急事態宣言時ならびにその後も緊急時対策の人員不足などの理由で、培養施設の使用、動物実験施設の使用停止がなされたことで、in vitro研究にに遅れが生じており、、今後の情勢次第ではさらなる進捗遅延が予想される。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、HTS法の結果で抽出された薬物の効果を、インプラント埋入モデルラットを用いて評価を行なっていく。現在、同研究チーム内での他の研究系で同様のin vivo実験を施行中であり、研これと並行していくことで、遅れを取り戻せると考える。また、予備実験の終了に伴い、in vitro実験での条件設定も定まってきていることから、効率的にスケジュールを組み込み、複数の薬物に対して並行して行うことで、実験の遅れを取り戻すことが出来ると考える。 上記の同定された薬物の効果が確認されれば、インプラント周囲炎モデルラットに対する効果も先行して行えるように体制を整えていく。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響に伴い、実験の停止期間に伴う消耗品の使用がなかったこと、進捗が一部遅延しており、消費期限のある消耗品については購入を控えたために次年度使用額が生じた。未購入の検査キットを使用した実験は、他実験と平行して行なうことが出来るので、研究体制を整えることで予定通りの研究を遂行できると考える。
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