2020 Fiscal Year Research-status Report
低酸素応答の活性化を局所適用によって確立させる新規唾液腺組織再生法
Project/Area Number |
19K10174
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
笠原 正貴 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (30328265)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 低酸素応答 / 再生医療 / 足場 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度の予定は、ラット顎下腺に円形の欠損を与えた『顎下腺創傷治癒モデル』(Kobayashi, Matsuzaka et al, Int J Oral Sci 2015)を用いて、atelocollagen/gelatin spongeが顎下腺組織の創傷治癒に及ぼす影響ならびにそのメカニズムを明らかにすることであった。この足場となるatelocollagen /gelatin spongeについては、その作製方法と安全性をすでに発表しており(Yang, ..., Kasahara et al, Dental Materials Journal, 2017)、今回の in vivo 実験に臨むにあたり 、さらにその薬物担持能力と形態保持能力を高めるために、熱架橋と非熱架橋の有無が、これらの因子にどのような影響を及ぼ すのかを検討した。結果として、熱架橋により薬物担持能力の向上、形態維持能力の向上が認められた。この成果を現在学術雑誌に投稿中である。 次年度は、ラット顎下腺創傷治癒モデルに対し、薬物担持能力の向上をさせた新しいatelocollagen/gelatin spongeによる創傷治癒の効果を検討するとともに、分子レベルで、組織再生に関わるマーカー(線維芽細胞、筋上皮細胞、導管上皮細 胞、幹細胞など)の遺伝子発現量、さらにマイクロダイセクションにより唾液腺組織を腺房細胞と導管細胞とに分け遺伝子発現を解析するとともに、これらのマーカーのタンパク発現を調べ、顎下腺組織再生の特性を明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度は、コロナ(covid-19)禍の影響により、動物実験の中止やオンライン授業への移行から研究に対するエフォートが減ってしまった。以上から研究に取り組む環境でなかったため、研究の進捗状況は非常に遅れる結果となった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、ラット顎下腺創傷治癒モデルに対し、薬物担持能力の向上をさせた新しいatelocollagen/gelatin spongeによる創傷治癒の効果を検討するとともに、分子レベルで、組織再生に関わるマーカー(線維芽細胞、筋上皮細胞、導管上皮細 胞、幹細胞など)の遺伝子発現量、さらにマイクロダイセクションにより唾液腺組織を腺房細胞と導管細胞とに分け遺伝子発現を解析するとともに、これらのマーカーのタンパク発現を調べ、顎下腺組織再生の特性を明らかにする。
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Causes of Carryover |
(理由) 2020年度の研究内容では、実支出額は報告した額となった。 (使用計画) 2021年度は、2019年度で発生した使用額を使用して主に物品費として充当し、研究を推進する予定である。
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