2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K10175
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
齋田 牧子 神奈川歯科大学, 大学院歯学研究科, 助教 (70612943)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 顎骨壊死 / 酸化ストレス / 活性酸素 / 抗酸化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、顎骨壊死に対する新規歯科治療法の確立である。我が国は、超高齢社会を迎え、骨粗鬆症薬の服用患者が劇的に増加している。骨粗鬆症薬の服用患者は、抜歯等の外科処置を行った後、顎骨壊死を引き起こす可能性が高い。しかし、この顎骨壊死に対する治療法は確立されていない。本研究は、顎骨壊死に対し、抗酸化療法という新たな治療法を開発することが目的である。申請者らは、ナノレドック粒子の抗酸化作用によって歯周炎やインプラント周囲炎を治療する方法を確立した。ナノレドックス粒子は、【1】 炎症因子を促進させる過剰な ROS を消去(抗酸化)する、【2】 口腔内の温度変化によるゾルゲル反応を利用し、操作性を維持しながら顎骨壊死の病巣組織に浸透した後に停滞性を発揮する(局所特異性の向上)、これらの特性を兼ね揃えた斬新的なポリマーを作製した。そして、顎骨壊死モデルにおけるナノレドックス粒子の抗炎症・抗酸化効果をメカニズムと共に明らかにすることを本研究の目的とする。この方法を発展させ、顎骨壊死に対する抗酸化療法の可能性の検討に着手した。顎骨壊死は、原因不明であり、治療法が確立されていないが、病巣に活性酸素種が生じている。そこで、体温下でゲル化することで、局所的かつ効果的に活性酸素種を消去するナノレドックス粒子を設計し、その治療効果の検証を始めた。この新たな治療方法の開拓は、既存の対症療法とは異なり、患者に有用な治療法の基盤創出が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度においては、モデルの作製及び酸化ストレスの評価(活性酸素種の定量)を行った。次年度では、ナノレドックス粒子による顎骨壊死モデルに対する抗酸化の評価及びそのメカニズムについて検討する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、顎骨壊死モデルを用いて、ナノレドックス粒子による抗酸化作用の評価を行っていく予定である。In Vivoにおいて、顎骨壊死モデルの疾患部位における酸化の評価(活性酸素種の定量)を行い、ナノレドックス粒子による酸化ストレス消去能を評価していく。
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Causes of Carryover |
実験に使用すべき試薬及び消耗品の購入を効率よく購入したことや、既存の物品を使用出来たことにより、使用額を有効に使用することが可能であった。
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