2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of multi-function Zirconia materials with graded structure
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19K10199
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
洪 光 東北大学, 歯学研究科, 教授 (70363083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 恵一 東北大学, 歯学研究科, 助教 (00178477)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ジルコニア / 傾斜構造 / 骨芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はジルコニア材料への傾斜構造付与方法の確立により、生体活性および機械的特性の向上を実現し、高機能歯科用ジルコニア傾斜機能材料の開発に 繋がる基礎研究を為すことである。本研究では、1)世界初となるジルコニア傾斜機能材料、2)オッセオインテグレーションを含む生体活性、3)ドラッグデリバリー機能、4)破壊靭性、表面硬度、接着性、光透過性に着目する。具体的には、1)ジルコニアの高機能化が可能な傾斜構造付与方法を解明すること、2)オッセオインテグレーション早期獲得可能なジルコニア傾斜構造について解明すること、3)ジルコニア傾斜構造によるドラッグデリバリー機能付与について解明すること、4)ジルコニア傾斜構造による破壊靭性、接着性、加工性(切削性)・審美性の向上について解明すること、を目的としている。 2020年度は前年度に得られたデータの解析に加え、生体活性物質含有試作材料を作成し、材料物性(曲げ特性、曲げ耐久性)についてISO規格に従い検討を行った。さらに、表面性状、組成成分についてもSEMを用いて測定した。続いて、 試作材料の生体活性を評価するため、骨芽細胞を用い、材料表面での細胞分化・増殖および石灰化、骨芽細胞分化マーカーについて検討を行った。骨芽細胞の接着機序について解明するため、インテグリーンおよびシンデカンを用い、分子生物学的検討を行った。これらの結果により、生体活性物質の表面への付与は材料物性に影響を与えないことが証明された。さらに、材料表面の骨芽細胞付着および分化にはSyndecan-2が大きく関わっている可能性が示唆された。細胞分化、石灰化、分化マーカーについては、現在実験結果を解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の当初に計画していた2020年度の実験は概ね終了している。生体活性物質が細胞分化に及ぼす影響については、細胞の分化マーカー、石灰化に関する項目はデータ解析中である。さらに、2020年度は研究結果を一部を英論文にまとめ、国際誌に掲載された。したがって、本研究はおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は前年度に得られた細胞分化マーカーや石灰化指標のデータの解析に加え、当初計画してた実験を予定通り進めて行く。生体活性物質の有効的に材料表面からの徐放させるため(ドラッグデリバリー機能)に、HAやセリシンなどの基材を併用し、機能向上に取り組む。さらに、インプラント体を試作し、材料物性(疲労試験、曲げ強さ、トルク試)についてISO規格に従い検討を行う。さらに、表面濡れ、表面性状について解析すると共に、動物実験により、骨結合率、組織切片の解析により、生体活性を確認する。これらの結果により、試作材料の生体活性についてin-vitroおよびin-vivoて解析を行う。
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Causes of Carryover |
年度末の実験の使用予定の消耗品が、新型コロナウイルスの関係で、消耗品の納品が遅れて、残金が生じたが、今年度の実験計画には影響なく、さらに、少額であるため、次年度の計画においては、影響がないものと考えられる。
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Research Products
(4 results)