2019 Fiscal Year Research-status Report
口腔機能の向上が栄養を介して高齢者の心身機能に与える影響:9年間の縦断研究
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19K10203
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
前田 芳信 大阪大学, 歯学研究科, 特任教授 (10144510)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池邉 一典 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (70273696)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 口腔機能 / 栄養 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢者において,口腔内の状態と栄養状態との間に関連がみられることが,これまで数多く報告されている。我々も,そこで今回は,70歳80歳の地域高齢者を対象とした縦断研究において,咬合力と,6年後の低栄養との関連について検討を行った。 対象者は70歳80歳の高齢者1459名とした。最大咬合力の測定にはデンタルプレスケール50H,Rタイプ (ジーシー社,東京,日本) を用いた.栄養状態の評価としては,スクリーニングの指標として一般的に使用されているBMIや血清アルブミン値,上腕周囲径,下腿周囲径を用いた.BMIが21.5未満であった者,血清アルブミン値が3.8g/dL未満であった者,上腕周囲径が21cm未満の者,下腿周囲径が31cm未満の者を低栄養と定義した。ベースライン時に低栄養と定義された人は分析から除外した。咬合力と栄養状態との関連を検討するために,それぞれの栄養状態についてモデルを作成し、それぞれの栄養状態を従属変数,咬合力,歯数を独立変数とし,性別,年齢,経済状況,教育年数,糖尿病の罹患状況,脳卒中ならびに悪性腫瘍の既往,服用薬剤数,認知機能,うつ状態,握力,手段的日常生活動作を調整変数とした一般化推定方程式(ロジスティック回帰モデル)による分析を行った。統計学的有意水準は5%とした。 一般化推定方程式の結果,他の全ての変数を調整した上でも,最大咬合力 (オッズ比=0.89, p=0.004) と経過年数 (オッズ比=1.48,p<0.001) は,BMIの低下と有意な関連を示した。一方,最大咬合力は,アルブミンの低下や上腕周囲径の低下,下腿周囲径の低下と有意な関連を示さなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
十分な参加者数が得られ,栄養状態と口腔機能のデータ収集,整理,栄養学の専門家と共同で行う分析も順調に進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は88~90歳のベースラインより9年後の追跡データの収集の予定である.
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Causes of Carryover |
参加者が高齢となってきており,予定より若干参加者が少なく少し余りが出てしまった。次年度の謝金等にあてる予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Presentation] Influence of occlusal force on decline in BMI among elders2019
Author(s)
Fukutake M, Hatta K, Sato H, Mihara Y, Takeshita H, Enoki K, Matsuda K, Gondo Y, Kamide K, Arai Y, Ishizaki T, Masui Y, Maeda Y, Ikebe K
Organizer
International Association of Dental Research
Int'l Joint Research