2019 Fiscal Year Research-status Report
咀嚼が認知機能に与える影響の検討および認知症早期診断バイオマーカーの網羅的探索
Project/Area Number |
19K10205
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
三野 卓哉 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (10625718)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪木 拓男 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (00225195)
大野 彩 (木村彩) 岡山大学, 大学病院, 助教 (20584626)
大野 充昭 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (60613156)
山下 徹 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 講師 (60644408)
黒崎 陽子 岡山大学, 大学病院, 助教 (90759664)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 脳由来神経栄養因子(BDNF) / 認知症 / 咀嚼 / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,①ヒト高齢者において,試験的咀嚼運動刺激が,唾液や血液中BDNF濃度に及ぼす影響を検討すること,②ある要介護高齢者集団において,唾液や血液中のBDNF濃度が咀嚼能力ならびに認知機能と関連しているかを検討すること,③BDNFに加えて認知症発症の早期バイオマーカーを唾液中から網羅的に探索することである. 本年は,まずは目的①のための倫理委員会審査書類の作成を行った.また,倫理委員会審査書類の作成と並行して目的②のために,他の研究で毎年行っている岡山県下の老人介護施設(3施設)へ調査に出向き,基礎疾患,認知機能,ADLなどの臨床情報に加えて口腔内診査(残存歯数,機能歯数,カリエス数など)や摂食嚥下機能などを評価し,高齢者疫学調査データベースのアップデートを行った.現時点で、63名の要介護高齢者(認知機能健全:4名,MCI:10名,軽度認知症:7名,中等度認知症:23名,重度認知症:19名)を得ている. 今後は倫理委員会承認後に、岡山大学病院に所属する教職員のうち全身疾患ならびに服薬を認めない20歳以上の健康成人,あるいはクラウンブリッジ補綴科にてメインテナンスを行なっている患者のうち全身疾患ならびに服薬を認めない65歳以上の健康高齢患者からボランティアを募り,無刺激ガムによる試験的咀嚼運動刺激が,唾液や血液中BDNF濃度に及ぼす影響をランダム化クロスオーバーデザインにて検討する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的①のための倫理審査申請書類もおおよそ完成し,審査,承認へと進めること.さらには目的②のための高齢者疫学調査データベースのアップデートも行っているため
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Strategy for Future Research Activity |
1.目的①のための倫理審査委員会の承認を受ける. 2.岡山大学病院に所属する教職員のうち全身疾患ならびに服薬を認めない20歳以上の健康成人,あるいはクラウンブリッジ補綴科にてメインテナンスを行なっている患者のうち全身疾患ならびに服薬を認めない65歳以上の健康高齢患者からボランティアを募り,無刺激ガムによる試験的咀嚼運動刺激が,唾液や血液中BDNF濃度に及ぼす影響をランダム化クロスオーバーデザインにて検討する。 3.目的②の倫理委員会申請書類を作成する.
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Causes of Carryover |
次年度実施する実験に予算が必要であることから、当該年度予算の調整を行ったことから次年度使用が生じた。 ヒトからの唾液,血液の回収のためのキットならびに,血中,唾液中のBDNF量を計測するためのELISAキットならびにそれに必要な分子生物学実験器具ならびに試薬の購入が必要である.また,本領域の進歩はめざましく競争が激しいため,常に最新の情報を収集するための研究・調査旅費を必要とする.
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