2022 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of interrelationship and consequence between postural control, stomatognathic and body functions using biomechanical techniques
| Project/Area Number |
19K10219
|
|---|
| Research Institution | Hokkaido University |
|---|
Principal Investigator |
坂口 究 北海道大学, 歯学研究院, 准教授 (90312371)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 敦郎 北海道大学, 歯学研究院, 教授 (20210627)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
| Keywords | 姿勢の変化 / 咬合接触圧の安定性 / 前後の咬合接触圧バランス |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
顎口腔機能，姿勢制御および身体機能の関連性と因果関係を解明するためには，顎口腔系の変化と全身の変化のインタラクティブ・アプローチによる網羅的な観察および検討が必要である．
今年度は，顎口腔機能の一つである咬合に着目し，姿勢の変化が咬合接触圧の安定性とバランスに及ぼす影響について明らかにすることを目的とした．
被験者には，健常有歯顎者10名を選択した．咬合接触の評価には，咬合接触の接触位置，接触力，接触時間を客観的に評価することができる咬合接触圧分布測定システムを用いて，水平位，座位（頭部固定あり），座位（頭部固定なし），立位の4つの姿勢条件のもと，下顎安静位から咬頭嵌合位に閉口したときの咬合接触圧分布測定を行った．
結果，1．姿勢の変化は，咬合接触の安定性に影響を及ぼすこと，2．頭部が固定されていない姿勢における咬合接触は，頭部が固定されているときと比較して不安定であること，3．姿勢の変化は，前後方向の咬合接触圧バランスに影響を及ぼすが，左右方向のバランスには影響を及ぼさないこと，4．水平位は，咬合接触圧バランスの前後方向の変化が少なく，咬合接触が安定していることなどが分かった．これらの要因には，頭部と体幹の固定の有無と動揺の大きさ，支持基底面の前後方向の大きさ，頭部姿勢，顆頭・下顎安静位・下顎閉口路に対する重力の作用，頭部姿勢の変化に伴う咀嚼筋の収縮方向の変化，下顎安静位と下顎閉口路に対する下顎下縁部軟組織の抵抗の変化などの影響が考えられた．
以上のことから，矢状面内における姿勢の変化は，最初の咬合接触から咬頭嵌合位に至るまでの咬合接触の安定性と前後方向のバランスに影響を及ぼすことが明らかになった．これらの結果は，咬合の術前検査，治療，術後および定期検査において，姿勢の変化により，咬合接触が変化することを考慮しなければならないという臨床的な意義を示唆するものであった．
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度に続き今年度も，新型コロナウイルス感染拡大防止に関する本学の研究活動に係わる行動指針（BCP）等により，被験者の確保，研究の環境整備，ならびに遂行等に影響が生じた．
|
| Strategy for Future Research Activity |
本学の新型コロナウイルス感染拡大防止のための行動指針（BCP）に定められている「研究活動における感染防止のための確認事項」等の変化に留意しながら，本事項に関わるこれまでの経験を活かして，次年度は，計画調書の計画に則り，研究課題を進めていく予定である．
|
| Causes of Carryover |
現在までの進捗状況の理由から，研究を計画通りに進めることができなかった．したがって，予定していた備品や消耗品等の購入に至らなかったために，次年度使用額が生じることとなった．次年度は最終年度となるため，計画の遂行に必要な備品等を積極的に購入し、研究課題の目的を達成する予定である．
|
